まずは表面の生地についてのこだわりです。肌に直接触れる生地には、吸汗速乾性と制菌性を兼ね備えたポリエステル100%の高機能素材を採用。汗をかいてもベタつかず、睡眠中の皮膚の湿度コントロールをサポートします。さらに、ブルー系のカラーは副交感神経を優位にし、リラックスと入眠を促進します。
(※青色光は自律神経系に影響を与え、心拍数や脳波に変化をもたらすことが確認されています)
次に注目すべきは、枕内部の素材設計です。左右と中央部には、通気性に優れた中空構造のポリエステルわたを採用しています。このポリエステルは、全体の65%が合成繊維、35%が天然素材である綿との混紡となっており、それぞれの長所を活かした設計です。
ポリエステルは速乾性・通気性・弾力性に優れており、汗や湿気がこもりにくいため、蒸れによる夜間覚醒や皮膚刺激を抑制する効果が期待されます。一方、綿は優れた吸水性と肌触りの良さを持ち、長時間の使用でも摩擦による不快感や熱ごもり感を感じにくいのが特徴です。
頭の形に自然に馴染む設計で、後頭部・側頭部への接触圧を分散し、血行障害や圧迫感を軽減。これにより、寝返りがスムーズに促され、深い眠り(徐波睡眠)を妨げにくい環境を整えます。
さらに、枕内部の、特に首元についての素材のこだわりです。この部分には特に強いこだわりがあります。というのも、首回りを先ほどと同じ素材にしてしまうと、どうしても首が落ち込んでしまい、ストレートネックの方にとっては、より症状が悪化してしまう原因になるからです。そのため、低反発構造のパイプ素材を採用。頚椎へのフィット感を実現しています。
加えて、首回りは身体の中でも発汗量が多く、ニオイの原因になりやすい部位です。そのため、パイプ素材のうち、備長炭パイプ素材を採用。消臭・抗菌性に優れ、衛生的な観点からも抜群です。
今度は枕の底の土台部分についてのこだわりです。土台部分の役割は、羽毛やパイプ素材ではカバーできない、高さを調節する役割があります。使う人の頭部の重量にあった適度な弾性と復元力を兼ね備えている素材でなければなりません。加えて、睡眠中にムレないようにするためにも、せっかく羽毛やパイプ素材で確保した通気性を崩さない素材。そんな素材を探していたところ、答えはまさかの新幹線の座席にありました。新幹線や航空機は長時間座っていても快適でいられる素材が使用されていて、その素材を枕にすることが出来ればと考えたところ、やはりジャストフィット。これしかないと思い採用しました。
さらに、6つの独立ポケット構造にし、仰向けと横向きそれぞれの姿勢に合った高さ調整を可能にしました。自分に合わせて最適な高さに細かく調整できるので、自分だけのオーダーメイド枕にする事が出来ます。
睡眠の質は、主に中枢神経系、特に自律神経の働きに左右されます。とくに、交感神経と副交感神経のバランスは、入眠や睡眠の深さに大きく関与しています。
本製品では、睡眠導入を促進するための要素として「香り」に着目し、天然のヒノキ香を取り入れました。ヒノキに含まれる芳香成分は、嗅神経を介して大脳辺縁系に作用し、扁桃体や海馬といった情動や記憶に関与する領域に信号を伝えます。これにより、ストレス反応を抑制し、視床下部を経由して副交感神経の活動を高めることで、自然な入眠を促します。
さらに、ヒノキに含まれるフィトンチッドは、森林療法の分野でも注目されており、交感神経の過剰な興奮を鎮める作用があると報告されています。東洋医学においても、「気の巡り」を整え、心身のバランスを保つ素材として用いられてきました。
これらの効果を総合的に活用することで、入眠までの時間が短くなり、深く、質の高い眠りに導かれます。
そして最後に「お疲れさまくら」という名前についてです。この名前、ご想像通りだとは思いますが、社内や関係者から強い反対を受けました。折角こんなにこだわりの強い枕に、どうしてこんなにダサい名前を付けたいのかと。
しかし、私はどうしても。病気と闘う人、仕事・育児・介護に向き合う人、ストレスと戦う人、すべての人に。どうしても、この言葉を届けたかったんです。
「今日も、本当にお疲れさまです」
外来では毎日のように、患者さんからこうした言葉を聞いてきました。
「先生、眠れないんです……」
「寝ても疲れが取れなくて……」
「睡眠薬だけください」
そのたびに、私は処方箋を書く手が一瞬止まります。
「本当にこれでいいのか?」「薬を出すことが解決なのか?」と。
もちろん睡眠薬が必要なケースもあります。しかしそれが根本的な解決になることは、残念ながらほとんどありません。
むしろ「もっと強い薬が欲しい」「効かなくなってきた」という言葉が増える度、医師としての無力感と悔しさに胸が締め付けられました。
医学の力で、本当に人の眠りを変える方法はないか。そう考え続けた末にたどり着いたのが「枕」でした。
薬ではなく、“眠る環境そのもの”を整えること。それが、私が本気で向き合うべき事だと気づいた瞬間でした。
不眠や睡眠の質の低下は、ただの生活上の不便ではありません。慢性的な睡眠負債が続くと、自律神経は乱れ、ホルモンバランスが崩れ、やがて疲労が抜けなくなっていきます。
その状態が続けば、糖尿病、高血圧、脂質異常症、肥満などの生活習慣病だけではなく、自律神経失調症やうつ病など、いわゆる生活習慣病へとつながっていくのです。さらに言えば、慢性的なストレスから動脈硬化の促進につながり、心筋梗塞や脳梗塞、脳出血などの大病のリスクになるのです。
残念ながら、ほとんどの診察では、睡眠の質、ましてや寝具の話をする時間はありません。しかし、誰も気づかないような「合わない寝具」による慢性的なストレスがあったことも多かったのです。
本来、睡眠は人間にとって最も基本的な回復の時間。その質が下がってしまえば、どれだけ栄養を取っても、運動をしても、健康を支えきることはできません。
だから私は、診察室の外でも人を守れる選択肢を、本気で形にしようと決めました。その想いから「お疲れさまくら」の開発が始まったのです。
私は、ただ「気持ちいい枕」を作りたかったわけではありません。目指したのは、医学の知識を活かしながら、毎日の眠りを支える“本当に意味のある枕”をつくること。診察室の外でも人を守れるもの――言い換えれば、「病気になる前の段階」で、体と心にそっと働きかける道具を届けたかったのです。
たとえば、首を支える高さひとつとっても、適当に決めることはできません。頚椎のカーブがしっかり保たれているかどうかは、翌朝の肩こり・首こりの軽減だけでなく、自律神経の安定や血流、呼吸の深さにも直結します。仰向けと横向き、寝返りのしやすさ、頭の沈み込みのバランスまで――細部を設計し直し、何度も試作を繰り返しました。
また、首元には、備長炭パイプ素材を採用しました。これは単に消臭や通気性のためではありません。頸部は体温調節や神経系の働きと密接に関わる場所。備長炭が持つ微細な温度安定機能は、寝入りをスムーズにし、途中で起きにくい“静かな眠り”につながります。冷えすぎず、熱がこもらない――そんな微妙な環境を、科学的に実現できる素材を探し、たどり着いた答えでした。
この枕は、医学的知識を「生活にとってのやさしい知恵」として、静かに形にしたものです。治療ではなく、“これからも健康でいるため”の、ひとつの選択肢。だから私は、医師としての責任を込めて、素材も形状も、すべてに根拠のある設計を貫きました。
眠る前、深呼吸とともにふんわりと広がるヒノキの香り。それはただの「癒し」ではなく、私たちの神経に静かに作用する、医学的にも意味のある“導入のスイッチ”です。
香りは、嗅神経を通じて直接脳に届く、数少ない感覚のひとつです。とくにヒノキの芳香成分は、大脳辺縁系――扁桃体や海馬といった、感情や記憶をつかさどる領域にダイレクトに伝わり、一日の終わりに心をほぐすような、やさしい効果をもたらします。
また、ヒノキには「フィトンチッド」と呼ばれる成分が含まれており、これは森林浴の清々しさのもとにもなっている天然の揮発性物質です。交感神経の過剰な興奮を抑え、副交感神経を優位に切り替える作用があることも報告されており、入眠をスムーズにし、夜間の覚醒を減らす効果が期待されています。
私はこの香りを、“眠りの前のルーティーン”のように感じてほしいと思っています。照明を落とし、ヒノキの香りに包まれながら深く息を吸い込む――その数十秒が、自律神経にとっては「一日の緊張をゆるめていいよ」という合図になります。
東洋医学では昔から「気の巡りを整える」と言われてきたように、香りは目には見えないけれど、確かに“巡り”をつくる力があります。
科学的に見ても、感情的に感じても。香りは、眠りへと向かう心と身体を、やさしく導いてくれるのです。
どれだけ高価なサプリメントを飲んでも、どれだけ健康に気をつかっても、眠れていなければ、体も心も回復できません。だから私は、医師としてのプライドをかけて、「睡眠薬に頼らず、眠りを整える」ための選択肢をつくろうと決めました。
そして名前を考えたとき、最初に浮かんだのが「今日も一日がんばったね」「お疲れさま」という言葉でした。毎日、仕事に、育児に、介護に、向き合っているすべての人へ。眠るときくらい、誰かに優しく労ってもらえるような時間を届けたい。
そんな思いを込めて、この枕に「お疲れさまくら」という名前をつけました。
眠る前に、やさしく背中を撫でてもらうような存在でありたい。この枕が、あなたのそんな夜にそっと寄り添えますように。
Q.高さ調節は簡単にできますか?
A.はい、付属の高さ調節シートで簡単に調整可能です。
Q.ヒノキの香りが苦手な場合はどうすればいいですか?
A.粒袋を取り外していただければ、香りをなくすことができます。
Q.枕カバーはついていますか?
A.枕カバーは付属しておりませんが、市販のカバー(63×43cmサイズ以上)をご自由にお選びいただけます。通年使えるお気に入りの生地と組み合わせて、自分らしい眠りの空間をお楽しみください。
Q.首こりや肩こりに本当に効果がありますか?
A.医学的な設計に基づき、正しい首のカーブを支える構造になっています。多くの方が改善を実感されています。
Q.どのような寝姿勢でも使えますか?
A.はい。仰向け・横向きのどちらにも対応しており、寝相に合わせて調整できます。
Q.高さを調整するのが面倒ではないですか?
A.調整は非常にシンプルで、初回にご自身に合った高さをセットすれば、あとはそのまま快適にご使用いただけます。
Q.備長炭パイプは硬くないですか?
A.非常に柔らかく加工されており、適度な反発力で首をやさしく支えます。硬さが気になる場合は量を調整できます。
Q.どんな体格の人にも合いますか?
A.はい。6ポケット構造と調節シートにより、体格や好みに合わせて微調整が可能です。
Q.どれくらいの期間使えますか?
A.通常使用であれば2~3年以上、十分にご愛用いただける耐久性があります。定期的なお手入れをおすすめします。
Q.ギフトにも向いていますか?
A.はい。パッケージも上品で、健康を気遣う贈り物として多くの方に選ばれています。
商品名 | お疲れさまくら |
商品のお手入れ方法 | ・枕カバーを洗濯される際は本体を取り出し、枕カバーのファスナーを閉めてから洗濯ネットに入れて洗ってください。 ・枕本体を洗濯される際は、高さ調整シートとひのきキューブ小袋を取り出し、ファスナーが閉めてから洗濯ネットに入れて洗ってください。 ・他の物と一緒にせず、単体で洗濯してください。他の物と絡み合い、ねじれて破損する場合があります。 ・脱水後、形を整えてから陰干ししてください。 ・使用する洗剤は、液体洗剤をお勧めします。よく水と混ぜてから洗濯してください。 ・ひのきキューブは洗えません。 ・ひのきキューブはメッシュ袋のまま、乾燥した日に風通しの良いところで陰干ししてください。 ・高さ調整シートを洗濯される際は本体から取り出してファスナーを閉めてから水または40℃以下のぬるま湯でシャワーをかけて手洗いしてください。 ・洗濯機は使用しないでください。 ・水分をしっかり切ってから風通しの良いところで陰干ししてください。 ・乾燥機のご使用は避けてください。 |
使用上の注意 | ・たばこの火やストーブなどの暖房器具や高温のもの(ドライヤー、アイロン他)など火気の近くでは使用しないでください。火災ややけどの原因となります。 ・長時間にわたり詰めものを折り曲げると枕にしわのような線が入ったり、くぼみなど変形することがありますので、折り曲げた状態でのご使用ならびに保管はお避けください。 ・ご使用にならない場合でも、折に触れて天気の良い乾燥した日に風通しの良いところで陰干ししてください。 ・この商品は医療器具ではありません。また、病気を治療するものでもありません。睡眠時無呼吸症候群、あるいはその疑いのある方は、ご使用前に専門医にご相談ください。 |