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健康ジャーナル

2025.08.06
カテゴリー:

知らないと危険!大人も油断できない溶連菌

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

子どもに多い病気として知られる溶連菌ですが、実は大人も注意が必要な感染症ということをご存じですか?

喉の強い痛みや発熱などの症状が特徴で、放置すると合併症につながる可能性もある感染症です。特に子どもと関わる機会が多い方や家庭内で感染が広がるケースも少なくなく「風邪かな」と思っているうちに溶連菌だった、ということも珍しくありません。

今回は、溶連菌の原因や症状、大人がかかった場合の注意点、そして治療法についてわかりやすく解説します。自分や家族を守るために、正しい知識を持ち、早めに対応できるようにしましょう!

1. そもそも溶連菌って?

溶連菌は正式には「A群溶血性レンサ球菌」と呼ばれる細菌で、主に喉や皮膚に感染する感染症の原因となります。子どもに多いイメージがありますが、大人もかかる可能性があり、家庭や職場、学校などで広がることも少なくありません。

この感染症は飛沫感染や接触感染で広がるため、咳やくしゃみを通して溶連菌が人から人へうつることがあります。特に子どもと接する機会の多い保護者や教育関係者は、大人でも感染リスクがあるので注意が必要です。

2. 溶連菌の症状とは?

溶連菌に感染すると、主に次のような症状が現れます。

・喉の強い痛み
 風邪の喉の痛みよりも強く、食事や水分を飲むのもつらいほどになることがあります。

・高熱
 38℃以上の発熱を伴うことが多く、身体のだるさが強く出るのが特徴です。

・扁桃炎(へんとうえん)
 喉の奥の扁桃腺が真っ赤に腫れ、白い膿がつくことがあります。

・猩紅熱(しょうこうねつ)
 身体に細かい赤い発疹が広がるタイプの溶連菌感染で、子どもに多く見られます。

・その他の症状
 頭痛や食欲不振、強い倦怠感など、風邪と似た症状が現れることも少なくありません。

【なぜ注意が必要なのか?】

溶連菌は自然に治ることはほとんどなく、放置すると悪化しやすい感染症です。症状があるのに「風邪だろう」と自己判断してしまうと、合併症(腎炎やリウマチ熱)につながる危険性があります。

3. 大人がかかるとどうなるの?合併症や注意点を解説

溶連菌は子どもだけでなく大人にも感染します。大人がかかると高熱や強い喉の痛み、全身の倦怠感といった症状が目立ち、仕事や家事に支障をきたすことも少なくありません。

さらに、放置した場合は「リウマチ熱」や「急性糸球体腎炎」といった合併症のリスクがあり、感染症として見逃せない存在です。特に大人は免疫力の低下や慢性疾患を抱えているケースも多く、溶連菌に感染した際の重症化リスクが高まります。

子どもから大人への家庭内感染もよく見られるため、家族に溶連菌の症状が出た場合は、マスクや手洗いを徹底し、感染症拡大を防ぐ意識が大切です。

4. 溶連菌の治療法とは?

溶連菌は抗生物質による治療が基本となります。医療機関で検査を受け、適切な薬を処方されたら、指示通りに服用することが重要です。途中で自己判断で薬をやめてしまうと、再発や感染症の長期化につながる恐れがあります。

また、安静にして十分な睡眠や栄養を取ることが、症状の回復や再感染予防に役立ちます。大人が溶連菌にかかった場合は、周囲への感染症拡大を防ぐためにも、症状が落ち着くまでの外出自粛が望ましいです。

溶連菌のときは、喉に優しく消化が良いおかゆやスープ、卵料理、ヨーグルトなどを選び、水分をしっかり補給しましょう。

早めの受診と適切なケアで、溶連菌からしっかり回復し、家族みんなの健康を守りましょう!

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参考:みてねコールドクター

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/