こんにちは、現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
今やスマホは、私たちの日常生活に欠かせない存在となりました。
便利で手軽に情報を得られる反面、その使い過ぎによって心や体に思わぬ負担がかかっていることをご存じでしょうか。
近年「スマホ認知症」と呼ばれるあたらな健康問題が注目されています。
多くの情報がある中で、脳が休む間もなく働き続ける状態になり、物忘れや集中力の低下、慢性的な疲労感といった症状が現れることがあるのです。
最近では、こうした症状に対処するためにスマホ認知症専門外来が新たに開設され、話題となっています。
「最近、物忘れが増えた気がする」「集中力が続かない」「なんとなく脳が疲れている」
こうしたお悩みがある方は、もしかするとスマホの影響が関係しているかもしれません。
今回は、スマホ認知症の特徴や原因、そして専門外来で行う治療法について、医師の視点からわかりやすくお話ししていきます。ぜひ最後までご覧ください!
「スマホ認知症」とは、スマホを長時間使用し続けることで、脳が膨大な情報処理を強いられ、その負担によって一時的に認知機能に不調が生じる状態を指します。
現時点では医学的に正式な病名ではありませんが、近年脳科学や精神医学の分野でもその影響が注目され情報の過剰摂取による「脳疲労型の認知機能障害」として研究が進められています。
特に若い世代から中高年の方まで幅広い年代で、スマホの過剰な使用や依存が背景にある記憶力や注意力の低下、集中力の問題が報告されるケースが増えています。
こうした状態は「デジタル認知障害」「情報疲労症候群」とも呼ばれることもあります。
スマホはとても便利ですが、使い方によっては脳に思わぬ負担をかけてしまうことがあるのです。
スマホ認知症では、次のような症状がみられることがあります。
●物忘れの増加
人の名前や予定が思い出せなくなったり、先ほどの出来事をすぐ忘れてしまうなどの記憶力の低下を自覚するようになる
●集中力の低下
仕事や勉強に集中できず、すぐに注意がそれてしまう。文章を読んでも内容が頭に入ってこないと感じることがある
●注意力の低下
小さなミスが増えたり、会話に集中できず内容を聞き漏らしてしまうことが多くなる。
●脳の疲労感・ぼんやり感
常に脳が疲れているような重だるさを感じたり、頭がぼんやりしてスッキリしない状態が続く
●睡眠障害
寝つきが悪くなる・途中で目が覚める・眠りが浅くなるという睡眠の質の低下がみられる
●不安感・イライラ
情報過多の影響で、気持ちが落ち着かず不安になったり、イライラを感じやすくなったりすることがある
これらの症状はいわゆる認知症とは異なり、スマホの使用による脳の負荷が一因となって、一時的に現れている場合があります。
しかし、放置すると慢性化し、仕事や生活に影響が出てくることもあるため、早めの対策が大切です。
スマホ認知症が起こる背景には、様々な要因が重なっています。
①情報の洪水による脳の過剰負荷
SNSやニュース、動画、通知など、スマホは常に膨大な情報を脳に送り続けます。これにより「ワーキングメモリー(作業記憶)」が疲れ、記憶力や注意力が低下しやすくなります。
②マルチタスクの習慣
複数のアプリや通知を同時に扱うことで、集中力が分散され、注意力が落ちやすくなる。
③ブルーライトによる睡眠の質の低下
寝る前のスマホ使用は脳を覚醒させ、睡眠ホルモン(メラニン)の分泌を妨げます。
これが睡眠不足や脳の疲労につながります。
④依存的な使用習慣
通知やアプリが気になり、ついスマホを触る回数が増えると、脳内でドーパミンが分泌され依存が進みます。その結果、脳の疲労や注意力の低下を招きます。
次のような症状がここ数カ月で現れている場合は、スマホ認知症外来などへの受診を検討してみるのも一つの選択肢です。
・物忘れが増えてきた
・集中力が続かないと感じる
・睡眠の質が悪化している
・周囲から様子を心配される
・スマホを手放せずストレスを感じる
これらの症状は、認知症の初期症状と重なる部分もあるため、専門的な判断が重要になってきます。
●治療法
・詳細な問診・認知機能評価
記憶力や注意力などの症状について、客観的な検査を行います。
・ライフスタイルカウンセリング
スマホ使用時間の見直しや、デジタルデトックスの提案を行います。
・睡眠改善指導
睡眠障害がある場合は、専門的な治療や指導を行います。
必要に応じて脳画像検査・血液検査・薬物療法を行う可能性もあります。
私たちは、健康を保つために必要な力として、以下のような「5つの力」が大切だと考えています。
1.解毒力
2.免疫力
3.睡眠力
4.疲労回復力
5.若返り力
この5つの力は、日々の生活や年齢の影響によってバランスを崩しやすくなります。
そのため、「今の自分にはどの力が不足しているのか?」を知ることが、ムダのないセルフケアにつながります。
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睡眠や肌の不調が気になる
そんな方は、まずは“自分を知る”ことからはじめてみてください。
スマホはとても便利な道具ですが、使い方によっては脳に負担をかけ、症状として合わられることがあります。スマホ認知症を予防するために、日々次のポイントを心がけましょう。
・使用時間を意識してコントロールする
・通知設定を見直し、必要最小限にする
・就寝1時間前からスマホを見ない
・定期的に「スマホ断食日」を設ける
・読書・散歩・趣味などリアルな活動の時間増やす
もし気になる症状が続く場合は、早めに専門機関へご相談ください。
上手にスマホと付き合いながら、心と体の健康を大切にする毎日を心がけましょう!
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