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健康ジャーナル

2026.02.27
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【医師解説】2026年、異例のインフルエンザ再流行!インフルB型の特徴と家族を守るための警戒

こんにちは、現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

少しずつ温かい日が増えてきて「ようやく冬のピークが過ぎた」と、胸をなでおろしていた方も多かったのではないでしょうか。
しかし今、私たちの日常に再びインフルエンザの影が忍び寄っているのをご存じでしょうか。

1月には一度落ち着きを見せたはずの感染者数が、先月下旬から再び増加傾向にあり、今シーズン2度目となる異例の「警報レベル」へと突入しました。
1つのシーズンに2度も大きな流行の波が押し寄せるのは、実に2シーズンぶりの異常事態です。
なぜ、今このタイミングで再びインフルエンザが猛威を振るい始めているのか。
その背景には、ウイルスの「巧妙な入れ替わり」と、私たちの身体に現れる症状の変化、そして免疫に関わる「ある変化」が隠されています。

特に今回の流行では、年少者の感染が目立っており、重篤な合併症であるインフルエンザ脳症への警戒も怠れません。
単なる風邪の症状だと軽く考えていると、気づかぬうちに脳症が進行してしまう危険性があるのです。

この流行の再燃による感染拡大を防ぎ、大切な家族を脳症という取り返しのつかない事態から守るためには、まず現在のインフルエンザの正体と、警戒すべき症状を正しく知る必要があります。

なぜ、今シーズンの流行期間はこれほど長く、感染者が多いのか?

例年であれば、一つの波が過ぎれば収束に向かうはずのインフルエンザ。
しかし、今シーズンこれほどまでに流行が長引いている背景には、私たちがコロナ禍で経験した「免疫の空白期間」が深く関係しています。

数年間、感染対策を徹底していたことで、私たちの身体はインフルエンザウイルスに触れる機会が減り、社会全体の集団免疫が著しく低下してしまいました。
そのため、以前なら跳ね返せていたような微量なウイルスでも容易に発症し、感染が連鎖しやすい土壌ができあがっているのです。

さらに、昨年末に流行した「A型」から、間を置かずに「B型」へとバトンが渡される「リレー感染」が起きていることも長期化の要因です。
このしつこい流行は、私たちの自律神経を疲弊させ、さらなる症状の悪化を招く悪循環を生んでいます。

インフルエンザA型・B型の違いと、感染性胃腸炎との見分け方

昨年11月をピークに猛威を振るったのは「A型」でしたが、年明けからは「B型」という別の型が主役に入れ替わっています。
実際に検査データを見ても、A型の感染者に比べてB型の感染者は数十倍という圧倒的な差が出ており、このB型の激増こそが再流行の正体です。

この「B型」において特に注意すべきなのが、症状の現れ方です。
通常のインフルエンザで見られる高熱や咳といった呼吸器症状だけでなく、B型は「腹痛・嘔吐・下痢」といった消化器系の症状が強く出る傾向があります。

ここで私たちが気をつけなければならないのは、同時期に流行している「感染性胃腸炎」との見分けです。
常の感染性胃腸炎は嘔吐が主軸ですが、高熱を伴うことは稀です。
もし、嘔吐や下痢に加えて「強い発熱」が伴う場合は、単なる胃腸炎と自己判断せず、速やかにインフルエンザの検査を受けることが、適切な治療への第一歩となります。

感染者の年齢層の低下と、最も恐ろしい「インフルエンザ脳症」の危険性

さらに今、現場で最も危惧されているのは、感染者の年齢層が下がっていることです。
当初は中高生の間で広がっていた流行が、現在は幼稚園や保育園に通う小さなお子様へと波及しています。
お子様が感染した際、決して見逃してはならないのが、合併症である「インフルエンザ脳症」のサインです。

インフルエンザ脳症は、発熱からわずか数時間で急速に進行し、意識障害や異常行動を引き起こします。
単なる「熱による寝ぼけ」と脳症を混同しないよう、以下のサインを見逃さないでください。

異常行動: 意味不明な言動、突然走り出す、何かに怯えるような症状。

意識障害: 視線が合わない、呼びかけに全く反応しない。

けいれん: 手足が強く震え、5分以上続く、または何度も繰り返す。

こうした脳症の兆候が見られた場合は、深夜であっても直ちに救急医療機関を受診してください。
また、発症から2日間は脳症に伴う不慮の事故を防ぐため、夜間も大人が目を離さないよう努めてください。

まとめ:自分を整えることが、家族を守る盾になる

一度A型に感染した人であっても、型の違うB型には再度感染する可能性があります。このしつこい流行期を乗り切るためには、手洗いや湿度管理といった物理的な防壁に加え、ウイルスを跳ね返すための「自律神経の安定」が不可欠です。

身体が冷えて自律神経が乱れると、喉や鼻の粘膜の防御力は一気に低下してしまいます。
すると、ウイルスへの抵抗力が弱まり、インフルエンザの重症化、ひいては脳症などの深刻な合併症を招くリスクも高まってしまいます。
だからこそ、こうした流行期には決して無理をせず、夜はしっかりお風呂で芯まで温まり、リラックスした状態で質の高い睡眠をとることを心がけてください。

万が一、ご家族が感染してしまった際、看病する側が疲弊して自律神経を乱しては、二次感染の連鎖が止まりません。
明日への活力を蓄えるための「自分を整える時間」こそが、インフルエンザの魔の手から、そして恐ろしい脳症から、大切な家族と自分自身の健康を守るための、最も確かなセルフケアになるのです。

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参考:テレビユー山形

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/