内科医 橋本将吉(ドクターハッシー)が
運営する健康情報サイト

健康ジャーナル

2025.10.23
カテゴリー:

インフルエンザ流行、今年は前倒し‼

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
皆さん、知っていますか?
毎年流行するインフルエンザ。今年は、例年よりもインフルエンザの流行が早まっているんです!

まだ暑さの残る9月からインフルエンザの患者報告が増え、10月中旬には多くの地域で「流行入り」が発表されました。
「まだクーラーを使っていたのに」「まさか今もうインフルエンザ?」という声が外来でも聞かれます。
これは単なるタイミングのズレではなく、私たちの身体と社会の環境が変化しているサインでもあります。

今回は、インフルエンザの流行について、そして知っておきたい潜伏期間や症状の特徴もあわせて解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください。

なぜ今年はインフルエンザの流行が早いのか?

今年のインフルエンザ流行には、いくつかの医学的な背景があります。
その中心にあるのが、免疫の低下と生活環境の変化です。

コロナ禍の数年間、マスクや手指消毒、外出制限によってインフルエンザウイルスに触れる機会がほとんどなくなりました。
その結果、身体の中の「インフルエンザに対する記憶免疫」が弱まり、感染しやすくなっています。

免疫が下がると、潜伏期間が短くなり、ウイルスが体内で急速に増えやすくなります。
そのため、これまでよりも急に発熱や倦怠感などの症状が出る人が増えています。

外来でも「数年ぶりにかかったら、以前より症状が重かった」という方が多く見られます。
これは免疫がリセットされ、防御力が落ちているためです。

また、潜伏期間中から軽い喉の違和感やだるさを感じることもあります。
そうした初期症状を放置すると、短い潜伏期間を経て一気に症状が悪化することがあります。

免疫の低下は、インフルエンザの流行を早めるだけでなく、潜伏期間を短くし、症状を強める要因にもなっています。

インフルエンザの潜伏期間と症状を正しく知る

インフルエンザの潜伏期間

インフルエンザの潜伏期間は一般的に1〜3日です。
感染してもすぐに発症せず、ウイルスが身体の中で増えるまでの静かな期間があります。
この間に気づかずに出勤・登校してしまい、流行を広げてしまうケースが非常に多いのです。

インフルエンザの症状

インフルエンザの症状は、ただの風邪とは異なり、急激に発熱・倦怠感・関節痛が現れます。
発症初期はのどの痛みや鼻水よりも、全身のだるさや高熱が特徴です。
なかには38〜40℃の高熱が数時間で出る方もいます。

多く見られるのは、インフルエンザの潜伏期間中にも関わらず、無理をして動いてしまう人が多いということです。

 発症のサインを見逃さないことが、流行を止める一番のポイントです!

流行を後押しする3つの生活要因

猛暑疲れによる免疫の低下

今年の夏は特に暑く、体力を消耗した人が多いのではないでしょうか。
強い冷房、睡眠不足、食欲低下が続くと、免疫細胞の働きが鈍ります。
こうした夏の疲れを引きずったまま秋を迎えることで、インフルエンザに感染しやすい身体になってしまいます。

学校・職場・イベントの再開で人の接触が増加

コロナ後の生活が戻り、出勤、旅行、行事などで人が集まる機会が急増しました。
これにより、インフルエンザウイルスの流行を早めるきっかけが多くなっています。

感染しやすい身体をつくらないためにできることは?

免疫を上げると聞くと難しく感じるかもしれませんが、日常生活の中でできることはたくさんあります!

次に今日からできる免疫を上げる方法をまとめました。ぜひ実践して、これからの日常を元気に過ごしていただけたらと思います!

睡眠を最優先にする

睡眠不足は、インフルエンザウイルスを防ぐ免疫細胞(ナチュラルキラー細胞)の働きを低下させます。
まずは6〜7時間の質のよい睡眠を心がけましょう。

栄養の「色」を意識する

赤・緑・黄の食材を意識して摂ることで、抗酸化力と免疫が高まります。
特に、たんぱく質(免疫細胞の材料)と発酵食品(腸内環境を整える)は重要です。

深呼吸と身体の冷え対策

冷えは免疫の大敵です。身体の温度が1℃下がると免疫力は約30%下がるとも言われます。
湯船に浸かる、軽いストレッチをするなど、身体を温める習慣を意識しましょう。

最後に

今年のインフルエンザの流行は、免疫のリズムが崩れた社会全体の疲れの現れとも言えます。
潜伏期間が短く、症状が急に現れるインフルエンザだからこそ、身体の違和感を早めにキャッチし「まだ大丈夫」と思わずに予防と休養を意識することが大切です。

インフルエンザは冬の病気ではなく、季節の変わり目の警鐘。
今年は少し早めに、身体をいたわるスイッチを入れていきましょう!

健康ジャーナルでは、病気の症状解説や日々の暮らしに役立つ健康知識、予防法などを随時お届けしています。

プッシュ通知をオンにしていただくと、新しく公開された記事や、大切なお知らせをすぐに受け取ることができます。

大切なコンテンツを見逃さないためにも、ぜひプッシュ通知を設定してみてくださいね。

皆さまの健康を守るために、私たちも心を込めて情報をお届けします。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!

【リクエスト受付中!】

ぜひ、公式LINEにてリクエストお待ちしております!

詳しくは下記の画像をタップ👇

参考:岩手めんこいテレビ

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/