こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
皆さま、健康診断の結果を見ていますか?
もしや、健康診断で「血圧が高めですね」と言われた方もいるのではないでしょうか。
「体調に特に異常はないし、自覚症状もない・・・そもそも血圧が高くなっている原因がわからない」
そう思っている方も少なくないと思います。
実際に、日本では約4300万人以上が高血圧にかかっているとされ、これは成人のおよそ3人に1人にのぼります。
その一方で「自分はまだ大丈夫」「症状がないから気にしない」という方も多いんです!
だからこそ、気づかないうちに進行してしまうケースがあとをたちません。
高血圧は「サイレントキラー」とも呼ばれ、はっきりとした症状がないまま、知らず知らずのうちに脳・心臓・腎臓など大切な臓器に負担をかけています。
だからこそ「血圧が少し高めかも」と気づいた今が改善するチャンスです!
「高血圧」と聞くと、まず思い浮かぶのは「塩分のとりすぎ」ではないでしょうか。
確かに塩分過多は大きな要因の一つですが、実はそれだけではないことをご存じでしょうか。
高血圧は生活習慣・体質・加齢・環境などが複雑に絡み合って起こるのが特徴です。
原因 | 内容 |
塩分の摂りすぎ | ナトリウムが体に多く入ると、体内の水分量が増え、血液量が増加 → 血管に圧がかかる |
ストレス | 自律神経が乱れ、交感神経が優位になると血管が収縮しやすくなり血圧が上がる |
運動不足 | 血流が滞りやすく、心臓に負担がかかる。血管の柔軟性も失われやすくなる |
肥満 | 内臓脂肪の蓄積がホルモンバランスを乱し、血圧の上昇を招きやすくなる |
飲酒・喫煙 | アルコールやニコチンが血管収縮を促し、慢性的に高血圧を引き起こす |
加齢・遺伝 | 年齢とともに血管が硬くなり、血圧が上昇しやすくなる。家族に高血圧がいるとリスク増 |
なかでも「ストレス」は見落としがちな高血圧の要因です!
現代社会では、多くの人がストレスを抱えて生活しています。
一時的な緊張や不安でも血圧が上がりますが、問題なのは慢性的なストレスです。
ストレスが続くと交感神経が優位な状態が続き、血管が収縮しやすくなります。
また、ストレスによって「味の濃い食事を選んでしまう」「お酒が増える」「運動をやめてしまう」など、他の高血圧要因を誘発する可能性もあります。
「ストレス+生活習慣の乱れ」が重なると、高血圧が加速するリスクがあるということを覚えておきましょう!
高血圧は「サイレントキラー」と呼ばれるほど、はっきりとした症状が出にくい病気です。
そのため、多くの人が自覚のないまま放置してしまい、知らないうちに体にダメージが蓄積されてしまいます。
高血圧によって現れる不調とは?
①朝起きたときに頭が重い、頭痛がある
②肩こりや首の張りが慢性的に続く
③動機や息切れを感じることがある
④目がチカチカする、耳鳴りが気になる
⑤めまいやふらつきが起こることがある
これらの不調は一見、加齢や疲れ、気圧のせいだと思われがちですが、実は高血圧の初期症状である可能性があります。
「なんとなく不調が続くな」と感じたら、まずは血圧を測る習慣をつけることが大切です。
また、これらの症状の背景にある原因は、塩分のとりすぎや運動不足、ストレス、睡眠不足などの、日常の生活習慣に潜んでいることがほとんどです。
「症状がないから大丈夫」と思って、高血圧を放置していませんか?
実はそれこそが、高血圧の最も怖いところなんです。
高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行し、体のあらゆる臓器にダメージを与えるリスクがあります。症状がないからと放置してしまうと、合併症を引き起こす原因にもなります。
高血圧による合併症のリスクとは?
合併症 | 影響の内容 |
脳卒中 | 脳出血・脳梗塞など、突然の発作を起こすリスクが上昇します。早期発見が重要です。 |
心筋梗塞 | 心臓の血管が詰まり、命に関わる深刻な状態になることがあります。 |
認知症のリスク | 血流の低下が脳に影響を及ぼし、記憶や判断力に障害が出る可能性も指摘されています。 |
腎不全 | 血圧によって腎臓に負担がかかり、機能低下が進むと透析が必要になることも。 |
これらの合併症は、症状が出るところにはすでに進行しているケースが多く、予防が何より大切です。
だからこそ、まだ大きな不調を感じていない段階で、高血圧の原因を見直し、改善に取り組むことが将来の健康を守る大きなカギになります。
高血圧は、多くの方が症状を感じないまま進行してしまう病気をお伝えしてきました。
ですが、原因の多くは日常生活に潜んでいるため、改善できる可能性が非常に高いんです!
つまり、高血圧は「気づいた時がチャンス!」
正しく理解し、できることから改善を重ねていくことで、将来のリスクをしっかり下げることができます。
ここでは、今日から始められる「高血圧の改善ポイント」を5つご紹介します!
どれも簡単なものですが、継続が改善にとっては一番大切です!
①減塩を意識する!
高血圧の主な原因は塩分のとりすぎ。1日6g未満が目安です。
出汁や香味野菜、酢で風味を補い、味付けを見直すことが改善につながります。
②ストレスをため込まない
ストレスは血圧を上げる原因のひとつ。ただとても難しいです・・・。
呼吸法・散歩・音楽などでリラックスを習慣化し、睡眠の質を改善することがストレス軽減に効果的です。
③運動習慣を取り入れる
運動不足は血流や代謝の低下につながります。
軽い有酸素運動を数週間行うことで、自然な改善が期待できます。
④アルコール・煙草を控える
飲酒・喫煙は血圧悪化の原因になります。
休肝日を設けたり、喫煙に取り組むことで、確かな改善効果が得られます。
⑤毎日血圧をチェック!
症状がなくても、血圧は変化しています。
毎日決まった時間に測定・記録し、改善の状況を数値で確認しましょう!
高血圧は自覚症状がなくても進行しやすいため、早めの改善が大切です。
日々の生活を少し見直し、小さな改善を積み重ねることが将来の大きな健康につながります。
血圧が少し高めと言われた今こそが、体からのサインです。
焦らず、無理せず、自分のペースで!改善は今日から始められます!
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【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
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