こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
最近、テレビやネットで「咳が長く続く」「熱はないけど息苦しい」といった症状の話題をよく見かけるようになりました。
実は、これがコロナウイルス(COVID-19)によるものか、それとも9月の秋時期に流行し始める花粉症によるものかで、対策が変わります。
気になる「咳」が出たとき、コロナか花粉症かを見分けたい方のために、今回は9月の花粉症とはどんなものか、コロナとどう区別すればいいのか、そして咳を和らげる方法も含めて、わかりやすく解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
春のスギやヒノキに比べて見落とされがちですが、秋にも花粉症を引き起こす植物があります。
代表的なのは ブタクサ、ヨモギ、カナムグラ などで、これらの草は特別な山奥ではなく、私たちの生活に近い場所──空き地や道端、河川敷などに普通に生えています。
そのため、気づかないうちに花粉を吸い込んでしまい、咳や鼻水などの症状につながることが少なくありません。特に9月から10月にかけては、秋の花粉が飛散するピークを迎えるため「風邪かな?」「コロナかな?」と思っていたら実は花粉症だった、というケースも珍しくありません。
医師としてお伝えしたいのは、花粉症は春だけのものではないということです。身近な環境に原因があるからこそ、季節に応じた予防や対策を心がけることが大切です。
秋の花粉症では、代表的な症状として「くしゃみ・鼻水・鼻づまり」に加えて「目のかゆみや充血」「のどのイガイガ感や咳」が出ることがあります。
特に、花粉が気管支まで入り込みやすいため、春よりも咳が目立ちやすいのが特徴です。また、春の花粉症と違って発熱を伴うことは少ないので「熱がないのに咳や鼻水が続く」と感じる方は、秋の花粉症の可能性もあります。
ただし、咳や喉の違和感は風邪やコロナの症状とも重なる部分があるため「どちらなのか区別が難しい」と感じる方が多いのもこの時期の特徴です。
咳が出ると「もしかしてコロナ…?」と心配になる方は少なくありません。特に秋は花粉症のシーズンとも重なり、区別が難しく感じることも多いでしょう。ここでは、コロナと花粉症の咳やその他の症状の違いについて解説したいと思います。
項目 | 花粉症(秋・9月を含む) | コロナ(COVID-19) |
咳 | 乾いた咳が多く、のどのイガイガ感や刺激感を伴いやすい | 乾いた咳や湿った咳があり、長引くこともある |
熱 | 発熱はほとんどない | 発熱が出ることが多い |
鼻の症状 | くしゃみ・透明な鼻水・鼻づまりが典型的 | 鼻水・くしゃみは出る場合もあるが比較的少なめ |
目の症状 | かゆみ・充血・涙目がよく見られる | 目のかゆみや充血は典型的ではない |
期間 | アレルギー源に接触している限り続く | 数日〜2週間程度が一般的。ただし変異株や免疫の状態で変わることも |
その他の症状 | 倦怠感は軽め。主に喉の違和感 | 倦怠感・筋肉痛・頭痛・味覚や嗅覚の異常など多彩な症状を伴うことがある |
このように、咳だけでコロナか花粉症かを判断するのは難しいのが現実です。ただし、発熱の有無や鼻・目の症状、症状の続く期間を手がかりにすることで、ある程度の区別は可能です。
さらに、最近では変異株やワクチン接種状況によっても症状の出方が変わる場合があります。
「コロナだから必ず発熱する」「花粉症だから咳だけで済む」と決めつけるのではなく、体調の変化をよく観察し、必要に応じて医療機関に相談することが安心につながります。
9月になっても花粉症は起こります。特にブタクサやヨモギ、カナムグラといった草の花粉が原因となることが多く、この時期も注意が必要です。
咳が出ると「コロナでは?」と心配になるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。花粉症によって咳が出ている可能性も十分に考えられます。
見分けるポイントとしては、発熱があるかどうか、味覚や嗅覚の異常があるかどうかなど、咳以外の症状も一緒に確認することが大切です。
もし咳や他の症状が長く続く、あるいは強い不安を感じるときは、早めに医療機関を受診しましょう!コロナの検査を受け、正しい診断を受けることで安心につながります。
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参考:ORICON NEWS
【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/