内科医 橋本将吉(ドクターハッシー)が
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健康ジャーナル

2025.05.02
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【日常に潜む危険!生活に欠かせない水道水にカンピロバクターが潜んでいるかも!?】

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

私たちの生活の中で、最も身近で当たり前に使われる水道水。しかし、その水道水にカンピロバクターという食中毒の原因となる細菌が潜んでいる可能性があることをご存知ですか?最近では、水道水が原因となって食中毒が発生したという事例も報告されています。

この記事では、カンピロバクターが引き起こす健康への影響や、どのように感染が広がるのか。またその症状についてわかりやすくご紹介します。そして、毎日の暮らしの中でどのようなことに気をつければよいのか、予防のポイントもあわせてお伝えします。

大切な家族や自分自身の健康を守るために、カンピロバクターについて正しく知り、今後の参考にしていただければと思います。

1.水道水で食中毒が発生!

2025年4月、三重県伊賀市において、水道水からカンピロバクターが検出され、少なくとも小学生7人が食中毒にかかるという事件が発生しました。報道によれば、これらの子どもたちは水道水を使用した給食で食中毒を発症したとされています。このニュースは、多くの人々に「水道水にまで細菌が含まれている可能性があるのか?」という驚きと不安を与えました。

「水道水は安全なもの」と信じられてきました。私たちが日々何気なく使っている水が細菌に汚染されているなんて…多くの人にとって意外なニュースだったかもしれません。

日本の水道水は、世界でも高い品質と安全性を誇っており、安心して飲める存在として暮らしを支えてきました。しかし近年では浄水施設の老朽化や地震などの自然災害、そして管理体制の課題などによって、水の安全性が脅かされています。

特にカンピロバクターは、ごくわずかな量でも感染を引き起こすので、十分な注意が必要です。

2.皆さんのすぐ近くに潜む、カンピロバクターとは

「カンピロバクター」という名前を最近のニュースで知った方も多いのではないでしょうか。

この細菌は、ピンクに染まる「グラム陰性菌」と呼ばれる細菌で、家畜や野生動物の腸内に広く存在していることが知られています。特に、鶏肉や豚肉、牛肉、さらには生水などに多く見られます。カンピロバクターは、食中毒の原因としてもっともよく知られている細菌の一つです。日本でも、この菌による食中毒が年々増えてきており、特に気温が高くなる夏場から秋にかけて多く発生します。

カンピロバクターの種類は多数ありますが、特にカンピロバクター・ジェジュニ(動物の腸管内にいる菌)が最も人に感染しやすいとされています。この細菌が体内に侵入すると、腸内で急激に増殖し、様々な症状を引き起こします。感染経路としては、汚染された食品や水の摂取が主な感染経路です。

3.カンピロバクターの原因

カンピロバクターによる食中毒の主な原因は以下の要因が考えられます。

加熱不十分な鶏肉や肉製品の摂取

鶏肉を中心とした家禽類は、カンピロバクターの温床となりやすい食材です。特にレアな状態や、生肉を十分に加熱せずに食べると、感染のリスクが大きくなります。

汚染された水道水や井戸水の摂取

自然水や一部の地域の井戸水には、カンピロバクターが含まれていることがあります。特に浄水処理が不完全な水道水や、古くて管理が行き届いていない水道施設では、細菌が繁殖している可能性が高いです。

交差汚染

食材同士が接触することによって、カンピロバクターが広がることがあります。例えば、生肉を調理した後に洗わずに使用したまな板や包丁を使って野菜を切ると、汚染が広がります。

動物との接触

ペットや家畜が感染源となる場合もあります。動物の糞便に触れたり、その周辺を清掃する際に感染することがあります。

4.カンピロバクターの症状

カンピロバクターに感染すると、発症まで1〜7日程度の潜伏期間があり、その後以下のような症状が現れます。

下痢

カンピロバクターに感染した時に最もよく見られる症状です。最初は水のような便が出ることが多く、症状が進むと、便に少しずつ血が混じってくることがあります。

腹痛・おなかの張り

食後に突然お腹がぎゅっと痛くなったり、胃や腸が張ったような違和感を覚えることがあります。ガスが溜まったような感覚になる方もいます。

発熱

軽い微熱の場合もあれば、38度を超えるような高い熱が出ることもあります。熱が出るときには寒気を感じることもあるので、体を冷やし過ぎないようにしましょう!

吐き気・嘔吐

食中毒によく見られる症状の一つです。気持ち悪さが続いたり、吐いてしまうこともあります。無理に食べたりせず、少しずつ水分をとることが大切です。

倦怠感

全身が重く感じたり、何もする気になれないような強いだるさを感じることがあります。食欲も落ちてしまうことが多いので、できるだけ安静にして体を休めましょう。

こうした症状は、一般的に数日から1週間ほどで自然に回復していきます。しかし、乳幼児や高齢の方、妊娠中の方、免疫の病気を抱えている方など、体の抵抗力が弱い方は、症状が重くなってしまうことがあるので特に注意が必要です。

まれにですが、重症化すると「腸閉塞(腸が詰まって、食べ物やガスが通れなくなる状態)」や「ギラン・バレー症候群(手足に力が入らなくなる神経の病気)」といった病気につながることもあります。体調に少しでも異変を感じたときは、早めに医療機関を受診することで、安心して適切なケアを受けることができます。

5.カンピロバクターの予防方法

カンピロバクターの感染を予防するためには、以下の対策を徹底することが大切です。

食材の取り扱い

鶏肉や豚肉はしっかり加熱することが重要です。中心部にしっかり火が通っている(中心温度が75℃以上で1分以上加熱する)ことを確認しましょう。生肉と他の食材(野菜や果物など)を別のまな板や包丁で調理することで、交差汚染を防ぎます。

肉を調理した後は、手や使用した器具をしっかり洗い、消毒しましょう。

水道水や井戸水の取り扱い

不安なときは、水道水を一度沸かしてから使うと安心です。特に自然災害のあとや、水の安全が心配な地域では、沸騰することで安全に使うことができます。

浄水器や水質浄化フィルターを活用するのも一つの方法です。これにより、水中の細菌やウイルスを除去できます。

手洗いや清潔を保つ

食事前やトイレ後には必ず手洗いを徹底しましょう。特に外出先から帰った後やペットと接触した後は念入りに手を洗うことが重要です。

ペットや動物の糞便を処理する際は、手袋を着用し、その後は十分に手を洗いましょう。

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6.根本から整えるには「自分の健康バランス」を知ることから

私たちは、健康を保つために必要な力として、以下のような「5つの力」が大切だと考えています。

1.解毒力

2.免疫力

3.睡眠力

4.疲労回復力

5.若返り力

この5つの力は、日々の生活や年齢の影響によってバランスを崩しやすくなります。

そのため、「今の自分にはどの力が不足しているのか?」を知ることが、ムダのないセルフケアにつながります。

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まとめ

カンピロバクターは、私たちの身の回りに潜む危険な細菌の一つです。しかし、正しい知識とちょっとした心がけがあれば、感染をしっかり防ぐことができます。

日常生活では欠かせない、水道水や食材の取り扱いに気をつけることや、清潔な調理環境を保つことで安全性を高めることができます。

そして食中毒にならない最善の対策として、免疫力を高めることも大切です。

免疫がしっかりしていれば、万が一細菌が体に入ってしまっても、病気のリスクが下がります。

大切な家族の健康を守るためにも、毎日の暮らしの中で「ちょっと気をつける」を積み重ねていきましょう!