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健康ジャーナル

2025.06.27
カテゴリー:

「りんご病」大人にも感染、しかも重症化する!?

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

最近「りんご病」がまた子どもたちの間でじわじわと広がってきているのをご存じでしょうか?
名前は可愛らしいけれど、実は大人が感染すると「思ってもみなかった症状に悩まされることもある」ちょっと気をつけたい感染症なんです。

特に注意してほしいのは、ご高齢のご家族や持病をお持ちの方と一緒に暮らしている場合です。
りんご病は発疹が出る前から感染力が高く、知らないうちに家庭内でうつしてしまうこともあるんです。

「軽い風邪かな〜?」と思っていたら、数日後に発疹が出たり、関節が痛くて日常生活に支障が出たり…という大人の方、実際にいらっしゃいます。

でも大丈夫!こういう時こそ大切なのは、“知ること”と“行動すること”

この機会に「りんご病=子どもの病気」というイメージを少しだけ手放して、 大人でも感染する病気として知っておきたいポイントを、わかりやすくお届けします!

1. そもそも「りんご病」って?子どもだけの病気じゃない理由

「りんご病」って、子どもがかかる病気だと思っていませんか?

名前だけ聞くと、なんだかかわいくて軽そうなイメージがあるかもしれないですが、実は注意が必要な意外と奥が深い感染症なんです!
5〜9歳の子どもによく見られますが、大人も免疫がなければ感染します

しかも大人がかかると、関節の痛みや強いだるさが出たり、症状が長引くこともあるんです。

このウイルスは、咳やくしゃみだけでなく、タオルやドアノブなどからもうつるため、
保育園や学校、そして家庭の中で知らないうちに広がってしまうことも

元気そうに見えるお子さんが実は感染していて「 気づいたときには家族みんなが体調を崩していた」そんなことも珍しくありません。

だからこそ、 「子どもが元気だから安心」とは限らないのが、りんご病の怖いところ。

小さなサインに気づくことが、家族みんなの健康を守る一歩になります!

2. 実は怖い!りんご病、大人がかかると重症化+合併症のリスク

大人こそ気をつけたい「りんご病」の症状とリスク

りんご病は、一般的には子どもがかかる病気だと思われています。

子どもが感染した場合、多くは軽い症状で済むことがほとんどですが、大人がかかった場合は、少し話が違ってきます。

実は、大人がりんご病にかかると症状が重く出ることがあるんです。

特に体力や免疫力が落ちているとき、そして持病がある方には要注意です。

合併症の可能性

①赤芽球ろう(せきがんきゅうろう)

骨髄における赤血球の産生が障害され、急激に貧血が進行する状態。

②ウイルス性心筋炎

心臓の筋肉に炎症が起き、動悸・息切れ・胸の痛みなどの症状を引き起こす可能性があります。

③関節炎・関節痛

特に大人の女性に多く、手や膝などの関節に強い痛みや腫れが出ることがあります。

大人のりんご病、こんな症状が出ます!

・手や腕、脚などに左右対称に出る発疹(子どもと違って顔には出にくいことも)

・関節の痛みや腫れ(特に女性に多く、日常動作に支障が出ることも)

・倦怠感・微熱・喉の痛みといった風邪のような症状

・発疹が出ないまま終わるケースもあるため、気づかれにくく診断が遅れることも…

3. 家庭内での感染拡大には要注意!

りんご病広がるタイミングに警戒

りんご病のちょっと厄介なところ!

それは「症状が出る前が一番感染力が強い」ということです。

つまり、お子さんが元気そうに見えているうちに、既にウイルスが家庭のなかをめぐっている・・・なんてことも、実はあるんです。

家庭で気をつけたいポイントをまとめました!

・ お子さんが通う園や学校で「りんご病が流行っている」と聞いたら、まず要注意!
・ 高齢のご家族や、持病がある方と暮らしている場合は、一時的に接触を控えるなど、ちょっとした工夫を
・基本に立ち返って、手洗い・換気・マスクの3つをしっかり習慣化
・ 少しでも「体調が変だな」と感じたら、早めに医療機関に相談を。大丈夫と思っても、無理はしないで!

そして、もう一つ大事なこと。

りんご病には、発疹が全くでない「不顕性感染(ふけんせいかんせん)というケースもあります。

本人が気づかないまま、お年寄りやからあの弱い方に接してしまうと、周りの誰かに影響を与えてしまうこともあるんです。

4. 見えない感染症に気づく力を

知っておきたいポイント

「りんご病」と聞くと、子どもの病気を思いがちです。

しかし、大人にも感染することもある要注意なウイルスなんです!

特に高齢の方や基礎疾患をお持ちの方がいるご家庭では症状が重くなる可能性があるため要注意。

感染すると、関節の痛みや倦怠感などの症状が続いたり、稀に合併症を起こすこともあります。

「ちょっとだるいな」「関節が重いな」

そんなときは、ただの疲れじゃなく「りんご病かも?」と立ち止まって意識することも大切です。

家庭でできる対策を下記にまとめてみました。ぜひご活用ください!

・毎日の体調チェックと感染情報の確認をこまめに

・家族の中で感染者が出たら、できるだけ接触を減らして、ゆっくり休ませてあげる

・高齢者や妊婦さんのそばに行くときは、まず自分の体調に意識を向けること

健康は、誰か一人の努力だけじゃ守れません。

だからこそ「気づいたあなた」が周りの人に伝える力になってほしいと思っています。

この記事がそのきっかけになれたら、心から嬉しいです!

最後に…

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最後までご覧いただき、ありがとうございました!

参考:FBS福岡放送厚生労働省

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
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