みなさん、こんにちは!
現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です!
3月7日に放送されました、フジテレビ「めざましどようび」をご覧いただいた皆様、ありがとうございました。
番組内では、「食中毒」について詳しく解説させていただきました。
「昨日なにか悪いもの食べたかな?」
「寝れば治るだろう」
と、腹痛や下痢を軽く考えてはいませんか?
実は、原因となる食中毒は食べ物によって、症状が出るまでの食中毒 潜伏期間は数時間から数週間と大きく異なります。
今回は、放送でお伝えしきれなかった医学的な注意点と、家族に「うつる」二次感染のリスク、そして今日から実践すべき防衛策をまとめました。
食中毒を引き起こす細菌やウイルスは、種類によって体内での動きが全く違います。
数時間で発症するもの(黄色ブドウ球菌など):
おにぎりやサンドイッチなど、加熱済みの食品でも菌が増殖していると、食べてすぐに激しい嘔吐が起こります。
数日後に発症するもの(カンピロバクターなど):
鶏肉などの加熱不十分な食中毒 食べ物を摂取した後、2〜5日経ってから発熱や腹痛が出ます。
「昨日の食事が原因」とは限らないのが、食中毒の怖いところです。
自分の症状がどの菌によるものかを知ることは、適切な治療への第一歩です。
未然に予防したいところですが、万が一食中毒の症状が出現しても、どのタイミングで症状が現れ始めるのか理解しておくことで、落ち着いた対応ができるのではないでしょうか。
多くの方が誤解されていますが、食中毒は「食べた人だけ」の問題ではありません。
二次感染のリスク:
ノロウイルスなどのウイルス性食中毒は、感染者の便や嘔吐物を介して周囲の人に食中毒 うつる可能性が非常に高いです。
家庭内パンデミック:
感染した家族と同じタオルを使ったり、ドアノブを触ったりすることで、あっという間に家族全員に広がります。
医学的には、症状が治まった後も数日間は便の中に菌やウイルスが排出され続けるため、油断は禁物です。
特に小さいお子様がいるご家庭など、お子様に行動の制限を設けることは難しいことが多いかと思います。
小さいお子様がいなくても、忙しい毎日の中で、ドアノブを全て消毒するなどの対策を徹底できる方は少ないのではないでしょうか。
そこで家庭内パンデミックを防止する3つの鉄則をご紹介します!!
症状がある期間は、使い捨てのペーパータオルに切り替えるのが最も安全です。
排泄物に含まれる菌やウイルスが飛散するのを物理的に防ぎます。
家中の除菌をするのは、忙しい毎日の中で現実的な方法ではありません。
そこで、「自分の口に手を入れる前」「トイレの後」など、手が「汚染された時」や「直接体内に菌が入る可能性がある時」に、石鹸で丁寧に洗ってください!
食中毒を防ぐには、菌の特性を理解した物理的な対処が必要です。
肉や魚を触った後の手洗いはもちろん、調理器具の除菌が不可欠です。
生肉を切ったまな板でそのままサラダを作る行為は、医学的に見て「菌の植え付け」と同じです。
容器の除菌と乾燥:
保存容器は洗ったあと、完全に乾燥させることが重要です。
水分が残っていると菌の温床になります。食品用アルコールスプレーを活用し、特に汚れが溜まりやすいフタのパッキン部分は念入りに洗浄しましょう。
手入れのしやすい「パッキンなし容器」を選ぶのも賢い選択です。
「直箸」は厳禁:
盛り付けの際は必ず清潔で乾いた取り分け用の箸を使います。
保存容器から直接食べる「直箸」は、口の中の細菌を移してしまうため厳禁です。
使用する箸やスプーンも、洗いたての濡れた状態ではなく、しっかり乾いたものを使うことで外部からの菌の混入を防げます。
多くの食中毒菌は、10℃〜60℃の温度帯で爆発的に増殖します。
「カレーを鍋のまま一晩常温で置く」のは、菌に最適な培養環境を与えているようなものです。
冷蔵庫は「7割」収納:
庫内に物を詰め込みすぎると温度が上がり、菌が繁殖しやすくなります。
収納は全体の7割程度に留め、冷気の通り道を確保しましょう。
温度が安定しやすい奥の方へ配置するのがコツです。
魔の温度帯を素早くスルー:
調理後は、保冷剤を活用したり小分けにしたりして、菌が増えやすい30度〜40度の温度帯を短時間で通り過ぎるよう急速に冷ましてから冷蔵庫に入れましょう。
ほとんどの菌は熱に弱いです。表面を焼くだけではなく、中心部まで75℃で1分以上の加熱を徹底してください。
加熱後のスピード冷却:
十分に加熱して菌を叩いたあとは、放置せずに素早く冷やすことがセットです。「しっかり焼く」ことと「すぐ冷やす」ことの両輪で、食中毒のリスクを最小限に抑えることができます。
湿気が多く、気温も上がり始めるこれからの時期、食中毒は決して他人事ではありません。
昨日までは大丈夫だった「一口」への油断が、あなたや大切な家族の日常を一瞬で奪い去ることもあります。
ジメジメした季節は、目に見えない菌にとって最高の繁殖条件が揃っています。
だからこそ、本日ご紹介した「加熱・冷却・乾燥」の小さな習慣が、何よりの防衛策になります。
もし身体に違和感を感じたら、自己判断をする前に、医師の診察を受けてくださいね。
番組をご覧いただいた皆様、そしてこの記事を最後まで読んでくださった皆様が、この季節を健やかに、そして笑顔で過ごせるよう願っています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
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【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/