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健康ジャーナル

2025.09.30
カテゴリー:メディア

【めざましテレビ出演&解説】秋の運動会・BBQに潜む落とし穴!「カンピロバクター食中毒」

みなさん、こんにちは。
ドクターハッシーこと、内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

私は2025年9月30日、フジテレビ『めざましテレビ』に出演させていただきました。
テーマは「9月・10月に特に注意が必要な食中毒」についてです。

番組では、この季節ならではの注意点をご紹介しました。
ただ、テレビは時間が限られているため、すべてを詳しくお伝えすることはできませんでした。

そこで今回は「ハシモトマサヨシ健康ジャーナル」にて、この時期に増えるカンピロバクターについて、実際に起こりやすいシーンや予防のポイントをより丁寧に解説していきます。

秋は運動会や行楽でお弁当を持参したり、紅葉を楽しみながら仲間とBBQをしたりと、食を伴うイベントが多くなる季節です。
そんな楽しい時間の裏で気をつけたいのが カンピロバクターによる食中毒
「涼しくなったから大丈夫」と油断しがちですが、実はこの時期こそ注意が必要なんです!

ぜひ、最後までご覧ください!

【次回予告】次回の「健康ジャーナル」では、秋に多発するもうひとつの食中毒、アニサキスについて詳しく解説します。
サンマやサバなど旬の魚をきっかけに発生するアニサキス食中毒は、強い腹痛やアレルギー反応などの症状を起こすこともあり、注意が必要です。
正しい知識と対策を知っていれば防ぐことができますので、ぜひ次回もご覧ください!

カンピロバクターの原因と潜伏期間とは?

カンピロバクターは、食中毒の原因として最も多い細菌の一つです。特に鶏肉に多く存在しており、加熱不足の状態で食べたり、調理中に生肉から他の食材へ菌が移る「二次汚染」によって人に感染します。

主な原因となる食品

  • 生焼けの鶏肉
  • 汚染されたまな板や包丁などの調理器具を介した食品

このように、カンピロバクターによる食中毒の原因は、日常の調理シーンに潜んでいるのです。

潜伏期間と症状

カンピロバクター食中毒は、感染してから1〜7日(平均2〜3日)の潜伏期間を経て症状が現れます。
代表的な症状は以下の通りです。

  • 下痢
  • 発熱
  • 腹痛
  • 吐き気

多くの場合、症状は数日で自然に回復しますが、まれに「ギラン・バレー症候群」という神経に影響を及ぼす合併症を引き起こすこともあります。

また、カンピロバクター食中毒の特徴として「昨日食べたものが原因ではなく、数日前の食事が原因だった」というケースが少なくありません。

発症のタイミングが遅れるため、食中毒の原因食品を特定しづらい点も注意が必要です。

この時期に危ない理由とは?

秋になり気温が下がってくると、「もう食中毒の心配はない」と思われがちです。ですが、カンピロバクターによる食中毒は、この時期にも注意が必要です。

日中はまだ暖かい

秋といっても昼間は20℃前後になることが多く、カンピロバクターが増殖しやすい環境が残っています。こうした条件が、食中毒の原因となるリスクを高めます。

行楽やイベントで長時間持ち歩く

運動会や行楽シーズンには、お弁当や調理済みの料理を長時間常温で持ち歩く機会が増えます。時間が経つほどカンピロバクターが増え、食中毒の症状を引き起こす可能性が高まります。

BBQでの火加減の油断

炭火でのBBQは表面がこんがり焼けても、中まで火が通っていないことがあります。特に鶏肉はカンピロバクターの代表的な原因食品であり、生焼けを食べてしまうと、数日後に下痢や腹痛といった症状が出る食中毒につながります。

油断がリスクを高める

「涼しくなったからもう大丈夫」という油断こそが、カンピロバクターによる食中毒の原因となり得ます。季節の変わり目こそ、加熱や保存に気を配ることが大切です。

カンピロバクターの予防法とは?

カンピロバクター食中毒は、調理や保存の工夫で防げる食中毒です。発症すると下痢や腹痛、発熱といった症状が現れ、数日間つらい思いをすることになります。まれに神経に関わる合併症を引き起こすこともあり、症状が長引くケースも報告されています。

こうした症状を避けるためには、日常の調理や保存で次のような工夫が必要です。

  • 鶏肉は中心部までしっかり加熱(75℃以上で1分以上)
  • 生肉用と食材用の調理器具を分ける
  • お弁当は完全に冷ましてから詰め、保冷剤を使う
  • 手洗いを徹底する

秋は楽しいイベントが多い季節です。家族や仲間との大切な時間を、カンピロバクター食中毒による症状で台無しにしないように、ちょっとした注意が大きな安心につながります!

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参考:厚生労働省

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/