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健康ジャーナル

2025.07.23
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熱中症アラートに要注意!「正しい対策」とは?

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

ここ数年、夏の暑さは年々厳しさを増しており、気象庁から熱中症アラートが発表される日も珍しくなくなりました。
熱中症アラートは「熱中症による健康被害のリスクが極めて高い」と判断されたときに発信される重要なサインです。

特に、外での仕事やどうしても避けられない用事がある方にとって、熱中症は身近で深刻な健康リスクとなります。
「まだ大丈夫」「対策はしているつもり」と思っていても、体の内側では静かに危険が進行していることもあるのです。

実際、熱中症の初期症状は「軽い疲労感」や「めまい」「ほてり」など、日常でもよくある体調不良と見分けがつきにくいため、発見が遅れやすいのが特徴です。

今回は次の3つのテーマで解説していきたいと思います。
少しでも体調管理のヒントになれば嬉しく思います!

  • 熱中症になりやすい人の特徴
  • 気づきにくい初期症状のサイン
  • 正しく安全に夏を乗り切るための対策方法

1. 熱中症になりやすい人の特徴とは?

熱中症とは、強い暑さによって体の中の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節がうまくいかなくなることで起こる症状です。
「外に長くいたわけじゃないのに」「いつも元気なのに」

そう思っていても、実は体の中では静かに負担が蓄積していることがあります。

とくに、次のような状態がある方は注意が必要です。

  • 食事を抜きがち:ミネラルや塩分が不足し、体のバランスが崩れやすくなっています
  • 睡眠不足や浅い眠りが続いている:体の回復力が落ちており、暑さに耐えきれません
  • 水分をあまりとっていない:気づかないうちに軽い脱水状態になっていることも
  • 高齢者や持病(心疾患・糖尿病・高血圧など)がある人:体温調節の機能が弱くなっている場合があります

実は、私たちが1日に口にする食事から約800ml〜1Lの水分を摂取していると言われています。
つまり、一食抜くだけで、本来体に取り込まれるはずの大切な水分が不足してしまうのです。

「若いから大丈夫」「普段から体力には自信がある」そんな方ほど、気づかないうちに油断してしまいがち。
しかし、どんなに元気な人でも、水分や塩分の備えが不十分なまま炎天下に出ると、熱中症になるリスクはぐんと高まります。

暑さが厳しいこの季節、少しだけ自分の体に目を向けてみることが大切です。
「ちょっと気をつける」その意識が、あなたの体を守る一歩になります。

2. 見逃していないですか?熱中症の初期症状

熱中症は突然倒れる前に、必ず初期症状があります。
実際に病院を受診される方の多くも「なんとなく調子が悪かった」「少し休めば大丈夫だと思った」と話されます。
でも、そのなんとなくこそが、熱中症の初期症状なのです。

こんな症状が出ていませんか?

  • めまいや立ちくらみ
  • 吐き気・頭痛
  • 体のだるさ・ぼんやりする感覚
  • 足がつる(筋肉のけいれん)
  • 汗が止まらない、または全く出ない

これらはすでに体が悲鳴をあげているサインです。
「熱中症アラート」が発表されている日は、特に注意が必要です。
暑さによるダメージが蓄積され、知らないうちに体調が悪化している可能性があります。大切なのは、早めの対策です。
「少しおかしい」と感じたら、すぐに日陰や冷房の効いた場所へ移動し、水分と塩分をしっかり補給してください。
対策が早ければ、重症化を防ぐことができます。
「ちょっと我慢しよう」は危険です。
熱中症アラートが出ている日は特に、自分の体と丁寧に向き合ってみてください。

3. 熱中症を防ぐための正しい対策

今日からできる3つの熱中症対策とは?

最近では、熱中症アラートが出る日も少なくありません。

そんな今だからこそ、正しい対策を理解しておくことが大切です。

① こまめな水分・塩分補給

「のどが渇いた」と感じたときには、すでに軽い脱水が始まっていることも。
熱中症の初期症状としてよくある「めまい」「だるさ」「吐き気」などを防ぐには、定期的な水分補給がポイントです。

経口補水液や塩分タブレットで塩分も一緒に補いましょう。
※高血圧の方は、血圧をチェックしながら調整を。

② 無理をしないスケジュール管理
熱中症アラートが出ている日は、特に「頑張りすぎ」が危険です。
外出や作業は涼しい時間帯(朝や夕方)にシフトし、体調が少しでもおかしいときは、すぐに休む判断を。
「疲れかな?」と思っても、それは熱中症のサインかもしれません。

③ 涼しい場所を意識的に確保
クーラーの効いた室内や日陰など、直接的な暑さを避けられる場所を積極的に利用しましょう。
屋外では、冷感タオルや扇風機付きの作業服などで、体にこもる熱を逃がす対策が有効です。

4. 熱中症アラートを合図に、命を守る習慣を今から始めましょう!

熱中症は、命に関わる重篤な症状に進行することもある非常に危険な病気です。
特に、熱中症アラートが発令されている日は、いつも以上に体調の変化を気にかけることが必要になります。

大切なのは「なんとかなる」ではなく「今できる対策をしておくこと」です。
次のような日々の工夫が、熱中症の初期症状を防ぎ、重症化を防ぐ鍵になります。

  • 睡眠・食事・水分補給をしっかり整える
  • 「だるさ」「めまい」「頭痛」など、初期の症状を見逃さない
  • 「自分が熱中症になりやすい状況」を理解し、事前に対策する

暑さが厳しくなるこれからの季節、熱中症アラートをきっかけに、体調への意識を高めましょう。
自分の体に耳を傾けることは、大切な人を守ることにもつながります。

どうかご自身だけでなく、家族や同僚など周囲の体調にも目を向けて、予防と対策を日常に取り入れてください!

今回の内容はドクターハッシーのYouTubeでも解説しています。

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参考:ウェザーニュース

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/