
こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
少しずつ日が長くなり、春の訪れを感じる一方で、新生活を前にした不安がふと胸に浮かぶ時期でもあります。
新しい職場、新しい人間関係、変化する生活リズム。春は気持ちが前向きになりやすい反面、心だけでなく身体にも大きな負荷がかかりやすい季節です。
さらに2026年の春は、気象予測のデータからも、例年以上に寒暖差が大きくなることが示されています。 医療現場でも、この寒暖差による体調不良やメンタル不調への注意が必要だと考えられています。特に4月の気温は安定せず、朝晩と日中で体感が大きく変わる日が続く見込みです。こうした寒暖差は自律神経に負担をかけ、春バテや寒暖差疲労、さらには五月病のリスクを高めます。
この記事では、なぜ春バテ対策として春の服装が重要なのか、寒暖差が自律神経にどのような影響を与えるのか、そして五月病予防につながる体温調節とレイヤードの実践法を、内科医の視点から丁寧に解説していきます。
春に感じる、だるさ、疲れやすさ、気分の落ち込み。これらは決して「気持ちの弱さ」や「やる気の問題」ではありません。
背景にあるのは、自律神経の疲労です。自律神経は、体温、血圧、心拍、内臓の働きなどを24時間休まずコントロールしています。しかし、寒暖差が大きい状態が続くと、自律神経は体温調整に追われ、必要以上にエネルギーを消費してしまいます。ここで重要になるのが、「気温と服装」という視点です。
春の服装は単なるファッションではありません。外気と身体の間で、自律神経の代わりに体温を守る“緩衝材”の役割を果たしています。
暑さや寒さを我慢する服装が続くと、自律神経は常に緊張状態となり、結果として春バテやメンタル不調が起こりやすくなります。
新生活で「ちゃんとしなきゃ」と頑張る人ほど、こうした服装によるセルフケアが後回しになり、春バテを感じやすくなる傾向があります。

ここで誤解してほしくないのですが、「気温15度」という数字そのものが、自律神経を乱す直接の原因ではありません。
医学的に問題になるのは、1日の中、あるいは前日との気温差が7度以上あることです。2026年春の4月は、朝は8〜9度、日中は20度前後まで上がる日も多く、寒暖差が7度、10度と広がりやすい状況が予測されています。
このような寒暖差の大きい環境では、自律神経は常に体温調整を強いられ、いわゆる「寒暖差疲労」が起こりやすくなります。
寒暖差疲労が続くと、
といった症状が現れ、それが春バテや五月病へとつながっていきます。
厚生労働省などの公的機関でも、寒暖差が心身に影響を与える可能性について注意が促されています。
では、どうすれば五月病予防につながるのでしょうか。答えはシンプルです。自律神経に任せすぎず、服装で体温調節を行うこと。そのために役立つのが、レイヤードという考え方です。
気温15度前後の日は、体温調節しやすいレイヤードを意識した服装がおすすめです。
このレイヤード構造によって、寒暖差のある環境でも無理なく体温調節が可能になります。「脱ぎ着」は自律神経を守る行動。ポイントは、「暑い」「寒い」と感じたら、すぐに脱ぎ着することです。電車内が暑ければ上着を脱ぐ 夕方冷えたら一枚羽織る。こうした小さな行動の積み重ねが、自律神経の負担を減らし、寒暖差による春バテを防ぎます。
春バテや五月病を防ぐためには、毎日の服装選びがとても重要です。
こうした工夫は、結果的に自律神経を守り、メンタル不調や不安感の軽減にもつながります。
2026年の春は、寒暖差と環境変化が重なる、心と身体にとって負担の大きい季節です。しかし、春の服装を見直し、体温調節しやすいレイヤードを取り入れ、こまめな脱ぎ着を意識することで、
これらは十分に予防が可能です。
「明日は何を着ようか」と考える時間は、自律神経を守り、心と身体を整える大切な時間です。その小さな選択が、春バテを防ぎ、新生活の不安をやわらげ、 健やかな毎日を支えてくれるはずです。
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【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
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