
こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
「毎年この時期になると必ず風邪をひく」「風邪をひくと治るまでに時間がかかる」
そんなお悩みをお持ちの方は少なくありません。
実はその背景には、気温の変化による免疫の低下が関係していることが多いのです。
風邪をひきやすいかどうかは、体質だけでなく、免疫がきちんと働いているかが大きく関わっています。今回は、風邪と免疫、そして今すぐできる対策について、解説していきます。
ぜひ、最後までご覧ください!
免疫とは、身体の中に入ってきたウイルスや細菌から私たちを守る「防御システム」のことです。
風邪の原因となるウイルスが身体に侵入したとき、免疫がしっかり働いていれば、症状が出る前に排除することもできます。
免疫が正常に働いている状態とは、
・ウイルスに負けにくい
・風邪をひいても軽く済む
・回復が早い
といった状態です。
反対に、免疫が弱っていると、同じ環境でも風邪に感染しやすくなり、症状が長引きやすくなります。つまり、風邪をひきやすいかどうかは免疫の状態を映すサインとも言えるのです。
風邪を繰り返す方には、免疫が落ちているサインが見られることがあります。
例えば、
・毎年同じ時期に風邪をひく
・風邪がなかなか治らない
・疲れが取れにくい
・身体が冷えやすい
・寝てもスッキリしない
これらは、気温の変化に身体がついていけず、免疫が十分に働いていない状態でよく見られます。
特に今の時期は、朝晩と日中の気温差が大きく、自律神経が乱れやすいため、免疫が落ちやすくなります。気温が下がると血流も悪くなり、免疫細胞が身体のすみずみまで行き渡りにくくなることも、風邪をひきやすくなる原因です。

免疫が落ちると、喉や鼻の粘膜の防御力が弱くなります。
この粘膜は、風邪のウイルスが身体に入るのを防ぐ最初のバリアです。
気温の低下や乾燥によってこのバリアが弱まると、ウイルスが侵入しやすくなり、結果として風邪に感染しやすくなります。
つまり、免疫が落ちる → 身体の防御が弱まる → 風邪をひきやすくなるという流れが起きているのです。
だからこそ、風邪の対策は「ウイルスを避けること」だけでなく「免疫を守ること」がとても重要になります。
免疫を保つためには、バランスの良い食事が欠かせません。
特に、たんぱく質、野菜、発酵食品を意識してとることで、免疫は安定しやすくなります。
免疫を支える食べ物
たんぱく質(肉、魚、卵、大豆製品、乳製品)
発酵食品(ヨーグルト、納豆、味噌、キムチ、ぬか漬け)
野菜・果物(にんじん、かぼちゃ、ほうれん草、大根、白菜、キャベツ、みかん、りんご)
食物繊維(海藻類、きのこ類、ごぼう、豆類)
身体を温める食べ物(生姜、ねぎ、にんにく、温かいスープや鍋料理)
・首、手首、足首を冷やさない
・湯船につかって身体を温める
・室内の気温と湿度を適切に保つ
これらは、免疫を守る基本的な対策です。
睡眠中に免疫は回復します。
夜更かしが続くと免疫が下がり、風邪をひきやすくなります。
喉の違和感や軽い寒気を感じたら、早めに休むことも大切な対策です。無理をしないことが、免疫を守り、風邪を悪化させないポイントになります。

「風邪をひきやすい」「治りにくい」と感じる背景には、気温の変化による免疫低下が隠れていることが少なくありません。
特に今の時期は、朝晩と日中の気温差が大きく、身体がその変化についていけず、免疫が落ちやすくなります。
風邪対策の基本は、こうした気温の変化を意識しながら、免疫を落とさない対策を日常に取り入れることです。身体を冷やさない工夫や、生活リズムを整える対策が、風邪予防につながります。
今の時期こそ、日々の気温や室内外の気温差を意識しながら、免疫を守る対策を続けてみてください。免疫が整えば、気温の変化に負けにくくなり、風邪をひきにくい身体づくりにつながります。
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参考:鳥取大学医学部付属病院
【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/