
こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
今年は例年以上にインフルエンザが流行しており、その中で特に話題になっているのが、インフルエンザの変異株「サブクレードK」です。
インフルエンザは、毎年変化するウイルスですが、今年注目される「サブクレードK」は、従来とは少し違った特徴を持つ変異株で、広がり方や症状にも変化が見られています。
この変異株は、いつものインフルエンザと症状の出方が微妙に異なることもあり「今年のインフルエンザはなんだか長引く気がする」「子どもの症状が例年と違うように見える」といった声が多く聞かれます。
実際、変異株によって症状が強く出たり、咳やだるさが長引いたりするケースも報告されており、多くの方が不安を感じやすい状況です。
だからこそ、変異株の特徴を理解し、症状の変化に早めに気づくこと、そして日常でできる予防を丁寧に続けることがとても大切になります。
今回は、サブクレードKとはどのような変異株なのか、どんな症状に注意すべきか、そして家庭や職場での予防のポイントについて、解説していきます。
ぜひ最後までご覧ください!
インフルエンザには「型」だけでなく「系統」「サブクレード」という細かい分類があります。
A型インフルエンザの中にも多数の変異株が存在し、その中のひとつが今年話題のサブクレードKです。
【サブクレードKの特徴】
・従来のインフルエンザ変異株より感染力がやや強い傾向
・咳や喉の炎症などの症状がやや強く出るという報告
・子ども、高齢者、持病がある方は注意
【症状の違い】
一般的なインフルエンザと大きくは変わりませんが、次のような症状が目立つ傾向があります。
・強い咳
・喉の痛み
・全身のだるさ
・高熱(38〜40℃)
【重症化のリスク】
現時点では特別な重症化リスクは確認されていませんが、従来のインフルエンザと同じく肺炎やインフルエンザ脳症には注意が必要です。

インフルエンザの変異株が広がりやすい背景には、いくつかの理由があります。
まず、インフルエンザウイルスはもともと変化しやすい性質があり、毎年少しずつ姿を変えるため、新しい変異株が生まれやすいウイルスです。
こうした変化のスピードが速いため、私たちが以前の感染やワクチンで得た免疫が、新しい変異株に対して十分に働かないことがあります。
これが「免疫のすり抜け」と呼ばれる現象で、感染が再び広がる原因になります。
さらに、学校や職場など人が多く集まる場所では、日常的に近い距離で接触する機会が多く、一度インフルエンザが持ち込まれると連鎖的に広がりやすくなります。
特に子どもの集団生活では、変異株を含むインフルエンザがすぐに広まり、その後家庭に持ち帰って家族全体に広がるケースも多く見られます。
このように、ウイルスそのものの変わりやすさ、免疫の効きにくさ、生活環境での密接な関わりが重なり、変異株のインフルエンザは広がりやすくなるのです。
サブクレードKのようなインフルエンザ変異株でも、予防の基本は変わりません。
ただし、感染力が強い傾向があるため、日常の対策を丁寧に続けることが大切です。
【家庭でできる予防】
・部屋の換気
・湿度調整(40〜60%)
・タオルや食器類の共有を避ける
・帰宅後すぐ手洗いとうがい
【会社でできる予防】
・デスク周りのこまめな消毒
・手洗い、アルコール消毒の習慣
・体調が悪いときは無理をしない
・会議室や共有スペースの換気
【通勤中の予防】
・混雑時はマスクを利用
・つり革や手すりを触ったあとの手洗い、アルコール消毒

サブクレードKと聞くと不安に感じる方も多いと思いますが、変異株であっても治療や予防の基本は従来のインフルエンザと同じです。
・手洗い
・うがい
・マスク
・規則正しい生活
・早めの受診
こうした基本的な積み重ねによって、変異株でもしっかり対応できます。
不安なときは無理をせず、早めに医療機関へ相談してください。
健康ジャーナルでは、病気の症状解説や日々の暮らしに役立つ健康知識、予防法などを随時お届けしています。
プッシュ通知をオンにしていただくと、新しく公開された記事や、大切なお知らせをすぐに受け取ることができます。
大切なコンテンツを見逃さないためにも、ぜひプッシュ通知を設定してみてくださいね。
皆さまの健康を守るために、私たちも心を込めて情報をお届けします。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!
【リクエスト受付中!】
ぜひ、公式LINEにてリクエストお待ちしております!
詳しくは下記の画像をタップ👇

参考:テレ朝NEWS
【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/