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健康ジャーナル

2025.08.15
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不眠は「脳と身体の異常信号」

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
不眠は単なる「寝不足」ではなく、脳・神経・ホルモンのバランスの変化によって起こるれっきとした健康問題です。
不眠の原因は多岐にわたり、症状も人によって異なります。そして放置すると生活習慣病やメンタル疾患のリスクを高める可能性があります。

今回は、不眠の原因・症状・改善方法について解説しています。

睡眠は、人が健康に生きていくうえで欠かすことのできない大切な時間です。
だからこそ、「仕方がない」とあきらめず、改善や対策に取り組むことが、心と体を守る第一歩になります。

1. 不眠の原因はどこにあるのか?

不眠の原因は、大きく次の4つに分けられます。

  1. 心理的要因
    ストレス、不安、抑うつ状態が脳を過覚醒させ、眠りのスイッチを切れなくします。
  2. 生活習慣の乱れ
    夜間のスマホ使用やシフト勤務などで体内時計が狂い、睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌が低下します。
    • 身体的要因
      心不全、喘息、甲状腺機能亢進症、慢性疼痛などが眠りを妨げます。
  3. 薬や嗜好品の影響
    カフェイン、アルコール、ステロイド薬、一部の抗うつ薬が不眠症状を引き起こすことがあります。

大切なのは、不眠の原因を「これだけ」と決めつけず、さまざまな可能性から丁寧に探っていくことです。

人それぞれ背景や生活習慣、体調の状態は異なります。だからこそ、一緒に視野を広く持ち、あなたの眠りを妨げている要因を見つけ、少しずつ解きほぐしていくことが大切です。

2. 不眠と判断される症状とは

不眠症と診断されるためには、症状が一定期間継続している必要があります。

  • 寝つきが悪く、30分以上眠れない(入眠困難)
    • 夜中に何度も目覚める(中途覚醒)
      • 朝早く目が覚めてしまう(早朝覚醒)
      • 睡眠が浅く、熟睡感がない(熟眠障害)

これらの症状が週3回以上、3か月以上続く場合「慢性不眠症」の可能性があります。

そのままにせず、早めに医療機関へ相談することが、改善への第一歩です。

3. 放置した場合のリスクとは?

不眠は、脳と体に深刻な影響を与えます。

  • 高血圧、糖尿病、動脈硬化など生活習慣病のリスク上昇
  • 免疫機能低下による感染症へのかかりやすさ
  • うつ病、不安障害など精神疾患の発症リスク増加
  • 記憶力・集中力低下による仕事や学業への悪影響

つまり、不眠は「症状」そのものだけでなく、将来的に心身へ悪影響を及ぼす原因にもなります。

放置すれば、高血圧や糖尿病、うつ病などのリスクを高める可能性もあるため、早めの対処が大切です。

4. 不眠改善のための方法

不眠は放っておくと慢性化し、日中の集中力低下や健康リスクにつながります。

ここでは、不眠の原因に合わせた改善方法を簡潔にまとめ、今日から始められる実践的なポイントをご紹介します!

  1. 睡眠衛生の見直し

・毎日同じ時間に起床・就寝
・寝る1時間前からスマホ・PCをオフ

  1. 適切な運動習慣

日中の軽い有酸素運動は深い眠りを促進

  1. 食生活の調整

寝る直前の食事やカフェイン摂取を避ける

  1. ストレスマネジメント

・認知行動療法(CBT-I)などで考え方のクセを改善

  1. 医療機関での治療

症状が長引く場合は、原因に応じた薬物療法や心理療法を検討

不眠は身体からの「SOS」

不眠は「ただの寝不足」ではなく、脳や体からの深刻な警告です。
不眠の原因は、ストレスや生活リズムの乱れ、環境要因、病気など多岐にわたります。

放置すると、日中の集中力低下や気分の落ち込みなどの症状だけでなく、高血圧や糖尿病といった生活習慣病の原因になることもあります。

だからこそ、症状に早く気づき、原因を正しく見極め改善していくことが重要です。
生活習慣の改善(睡眠環境の見直し・カフェインやアルコールの制限・適度な運動など)で、多くの場合は不眠を改善できます。
それでも症状が続く場合は、医師に相談し、原因を多角的に評価して適切な治療や改善方法を取り入れることが、健康を守るための一番の近道です。

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参考:こころの情報サイト

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/