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健康ジャーナル

2025.08.08
カテゴリー:

その足の痛み、まさかの痛風?

こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。

「朝起きたら足の親指が腫れている…」

「なんとなく関節が痛むけど、疲れのせいかな?」

そんな違和感、もしかすると痛風のサインかもしれません。

痛風は「贅沢病」と呼ばれていた時代もありましたが、今では誰にでも起こり得る身近な疾患となっています。特に食生活の乱れや生活習慣が影響しやすいため、男女問わず油断できません。

今回は、痛風のセルフチェックリストをはじめ、痛風の原因・症状、そして避けるべき食事について詳しく解説します。最近関節に違和感がある方、健康診断で尿酸値が高めだった方はぜひ参考にしてください。

1.痛風セルフチェックリスト

まずは、今の体調や生活習慣から痛風のリスクをチェックしてみましょう。複数当てはまる方は要注意です。

【痛風セルフチェック】

□足の親指の付け根が急に腫れて激しく痛むことがある

□夕方〜夜にかけて足や関節がズキズキする

□熱っぽさや赤みを伴う関節の腫れがある

□以前より頻繁に関節に違和感を感じる

□食べ過ぎ・飲み過ぎた翌日に身体が重く、足が痛む

□尿酸値が7.0mg/dL以上と言われたことがある

□お酒(特にビール)をよく飲む

□肉類や魚卵、レバーなどの食事が好き

□野菜や水分をあまり摂らない生活が続いている

□肥満気味で運動不足を自覚している

チェックが多い方ほど、痛風のリスクが高く、すでに初期症状が出ている可能性も。早めの対策が重要です。

2.痛風とは?どんな病気?

痛風とは、血液中の尿酸という物質が増えすぎて関節に結晶としてたまり、炎症を起こす病気です。

この尿酸は体内のプリン体という成分が分解されたときに生まれます。

尿酸が一定量を超えると、関節に結晶ができやすくなり、それが激しい痛みや腫れを引き起こすのです。

3.痛風の原因とは?

痛風の直接的な原因は、血中の尿酸値が高くなること(高尿酸血症)です。

しかし、尿酸値が高くなる背景には、以下のような原因が関係しています。

【主な痛風の原因】

過剰なプリン体の摂取

 ビール、レバー、白子、魚卵などプリン体が多い食事は尿酸値を上げる原因に。

アルコールの摂取

 特にビールや日本酒などは尿酸値を高め、痛風のリスクを倍増させます。

肥満・運動不足

 代謝の悪化により尿酸がうまく排出されず、体内に蓄積されてしまいます。

脱水や水分不足

 尿の量が減ると尿酸の排出も減り、血中濃度が高まります。

ストレスや過労

 身体が酸化ストレスを受けると、尿酸が増えやすくなります。

遺伝的体質

 家族に痛風患者がいる場合は、体質的に尿酸値が高くなりやすい傾向があります。

つまり、食生活と生活習慣の乱れが、痛風の原因の大きな部分を占めているというわけです。

4.痛風の症状とは?初期症状から本格発作まで

痛風の初期症状は、一時的な関節の違和感や軽い痛みとして現れることが多く、つい放置しがちです。ですが、それが繰り返されるうちに、次第に激しい痛みに変化していきます。

【痛風の主な症状】

・足の親指の関節が急に腫れて強烈に痛む(痛風発作)

・関節が熱を持ち、赤くなる

・発作は1〜2週間続くが、自然に治まることもある

・発作を繰り返すたびに別の関節にも広がる

・痛風結節(尿酸の塊)が耳・肘・足などにできることも

症状の出方は個人差がありますが「ズキズキする」「風が当たっても痛い」と表現される痛みは、痛風特有のものです。

5.痛風と食事の深い関係

痛風の予防と改善において、食事の見直しは最重要ポイントです。尿酸値を下げるには、次のような食事に注意が必要です。

【痛風を悪化させる食事】

プリン体の多い食品:レバー、白子、あん肝、いくら、かつお、干物など

アルコール全般(特にビール)

高脂肪・高タンパクな食事:揚げ物、焼肉、チーズ類の過剰摂取

甘いジュースや清涼飲料水(果糖が尿酸値を上げる)

【痛風予防におすすめの食事】

野菜・海藻・きのこ類:食物繊維が尿酸の排出を助ける

乳製品(低脂肪):尿酸値を下げる働きがある

水分をしっかりとる(1日2リットル以上)

精製されていない炭水化物(玄米や全粒粉パンなど)

痛風の発作を予防するには、「何を食べるか」以上に「何を控えるか」が重要です。日々の食事選びが、そのまま健康維持につながります。

6.まとめ

痛風は「突然の激痛」という強い症状が特徴ですが、実際にはそのずっと前から、身体はサインを出しています。

原因の多くが生活習慣にあるため、痛風は自分で予防・改善できる病気でもあるのです。

痛風は、一度発症すると再発を繰り返しやすい疾患ですが、正しい知識と意識的な行動があれば、十分にコントロールが可能です。

「いつまでも自由に歩き、好きなものを食べたい」

その願いを叶えるためにも、今この瞬間から、あなたの身体に優しい選択を始めてみてはいかがでしょうか。

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参考:日本健康保険協会

【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
ヘルスケアアカデミー:https://healthcare-academy.co.jp/
ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/