こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
「最近、視界がかすむ気がする」「明るい場所がまぶしくてつらい」
そんな違和感、見過ごしていませんか?
もしかするとそれは、白内障のはじまりかもしれません。
白内障は、年齢とともに誰にでも起こりうる目の病気です。ですが、正しい知識がないまま放置してしまうと、生活の質が低下するだけでなく、重度の場合は失明のリスクもゼロではありません。
今回は、白内障のセルフチェックリストから始まり、原因・症状・手術までを分かりやすく解説します。「最近、視界に違和感がある…」「手術と言われたけど不安で決断できない…」という方にとって、安心への第一歩となる情報をお届けします。
以下の項目にいくつ当てはまるか、確認してみましょう。3つ以上当てはまる場合は白内障の可能性があると言われています。
【白内障セルフチェック】
□視界がかすんで見えることが多くなった
□明るい場所がまぶしく感じる
□夜間の運転中に対向車のライトがまぶしい
□目の前が白っぽく、ぼやけて見える
□二重・三重に見えることがある
□新聞やスマートフォンの文字が読みづらくなった
□色の鮮やかさが失われたように感じる
□眼鏡の度数を変えても視力が改善しない
□以前より目が疲れやすくなった
□片目だけ視界が暗く感じることがある
これらの症状が続いている場合は、白内障の初期段階である可能性が高いといえます。一度、眼科での精密検査を受けることをおすすめします。
※このチェックリストはあくまで目安です。
白内障とは、本来は透明な目の中の水晶体が濁ってしまう病気です。
この濁りが光の通り道を妨げるため、視界がかすんだりぼやけたりするのです。
【主な白内障の原因】
加齢(加齢性白内障)
最も多い原因が加齢によるもので、60歳を超えると多くの人に発症の可能性があります。
紫外線
長年紫外線を浴び続けることも白内障の原因になります。
喫煙・飲酒・生活習慣
喫煙は白内障のリスクを2倍以上に高めると言われています。
糖尿病・高血圧などの疾患
慢性的な病気があると、眼の代謝異常を引き起こし白内障の進行を早めます。
外傷性白内障
目を打ったり、けがをしたことで発症する場合もあります。
ステロイド薬の長期使用
副作用として白内障が発症するケースも報告されています。
このように、白内障の原因は加齢だけでなく、生活習慣や病気、薬の影響なども関係しています。原因を知ることは予防や治療選択の第一歩です。
白内障の症状は進行段階によって変化します。初期のうちは自覚がないこともありますが、徐々に以下のような症状が現れてきます。
【白内障の代表的な症状】
〇かすみ目(霧がかかったように見える)
〇光をまぶしく感じる(特に日中や夜間の車のライトなど)
〇視力の低下(眼鏡をかけても改善しない)
〇色が黄色っぽく、くすんで見える
〇二重・三重に見える(特に片目で)
〇明暗の判断がつきにくくなる
症状が進行すると、日常生活(読書・運転・料理・テレビ視聴など)に支障をきたすようになります。
ただし、痛みやかゆみといった明確な不快感がないため「気づいたときにはかなり進行していた」という方も少なくありません。
白内障の唯一の根本的な治療法は手術です。
薬や目薬では一時的に進行を遅らせることはできますが、完全に治すことはできません。
【白内障手術とは?】
白内障の手術は、濁った水晶体を取り除き、その代わりに人工の眼内レンズ(IOL)を挿入する手術です。
日本では年間150万件以上行われており、非常に安全性・成功率が高い医療処置として知られています。
【手術の特徴】
日帰り手術が主流(入院の必要なし)
手術時間は約10〜20分程度
局所麻酔で痛みもほとんどなし
術後の視力改善が期待できる
【手術を決断すべきタイミング】
・日常生活に支障が出てきたとき(運転、読書など)
・視力が0.7以下になっている
・眼鏡の変更でも視力が改善しない
・医師から「手術を検討しましょう」と言われたとき
手術が怖いという声も多いですが、白内障手術は非常に確立された医療技術であり、ほとんどの方が「もっと早く受ければよかった」と感じています。
白内障手術後は視力が改善するだけでなく、まぶしさや色の鮮やかさが戻るなど生活の質が大きく向上します。ただし、術後のケアはとても大切です。
【術後の注意点】
・医師の指示通りに目薬を使用する
・一定期間、重い物を持たない・目を強くこすらない
・術後数日は洗顔・洗髪を避ける
・紫外線対策としてサングラスの着用
定期的に眼科での経過観察も行いながら、しっかりと回復をサポートしましょう。
白内障は加齢とともに誰にでも起こりうる病気ですが、原因を知り、症状に気づき、手術を正しく理解することで、安心して向き合うことができます。
「まだ大丈夫」と我慢せず、視界に違和感がある今だからこそ、チェックリストや眼科受診を通じて、自分の目と丁寧に向き合ってみてください。
早めの気づきと行動が、これからの毎日をより明るく、安心して過ごすための第一歩です。
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参考:公益社団法人日本眼科医会
【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
リーフェホールディングス:https://li-fe.co.jp/
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ハシモトマサヨシ:https://hashimotomasayoshi.co.jp/