こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
「風邪が治ったはずなのに、咳だけが長く続いている」「季節の変わり目に必ず咳が出る」
そんな違和感を感じたことはありませんか?
もしかするとそれは、ただの風邪ではなく、気管支炎の可能性があります。
特に、喘息やアレルギー体質のある方は注意が必要です。
気管支炎は、放っておくと生活に影響を及ぼすことがある病気です。
今回は、気管支炎の原因や日常生活での注意点、咳との関係を解説します。
ぜひご覧ください!
気管支炎とは、気管支に炎症が起きて、咳や痰が長く続く状態のことをいいます。
この気管支炎には、大きく分けて2つのタイプがあります。
〇急性気管支炎
風邪やウイルス感染が原因で、一時的に炎症が起こるもの。数日〜2週間ほどで回復します。
〇慢性気管支炎
咳や痰が3カ月以上続き、繰り返し発症するタイプ。慢性閉塞性肺疾患(COPD)の一つに含まれます。
「風邪」と何が違う?
風邪と気管支炎、症状が似ていて見分けづらいこともありますが、実はこんな違いがあります!
比較項目 | 風邪 | 気管支炎 |
発熱・のどの痛み | 数日で落ち着くことが多い | 熱は軽くても、咳が長引きやすい |
咳 | 初期症状のひとつ | 主な症状。乾いた咳や痰のある咳が続く |
続く期間 | 3〜7日程度 | 2週間以上続くこともある |
特に注意したいのが「咳の長さとしつこさ」です。
風邪が治ったと思っても咳だけ長く続く場合は、気管支炎のサインかもしれません。
「ただの風邪かな?」と見過ごさず、体の変化に気づくことが大切です。
気管支炎による咳の症状は、風邪とは違って長く続くのが特徴です。
その原因の一つが、気管支に起こる慢性的な炎症。これが呼吸を刺激し、咳が止まらなくなるのです。
この「咳が長く続く」という症状は、じわじわと日常生活にも影響を与えていきます。
〇寝れない夜が続く(睡眠不足)
〇咳のせいで仕事や会話に集中できない(集中力の低下)
〇家庭内で家族にうつす心配(特に高齢者や子どもへの配慮)
特にアレルギー体質の方は、花粉やホコリ、寒暖差といった身近なものが原因となって咳を引き起こすことがあります。
「咳が長引くだけだから・・・」と放置してしまうと、気管支炎が慢性化し、呼吸器の機能に悪影響を与えるリスクも。
症状が続くときは、早めの対策と適切なケアが何より重要です。
気管支炎の症状が長引いたり、何度も繰り返ししたりすると、慢性気管支炎や喘息へ移行するリスクが高まります。
さらに進行すれば、肺の機能低下という深刻な状態につながる可能性もあります。
特に気をつけたいのが、次のような「慢性化のサイン」です。
〇1ヶ月以上、咳や痰の症状が続いている
〇少し歩くだけで息切れする
〇朝方や夜になると咳が強くなる
〇アレルギーの持病がある、または家族に喘息の人がいる
これらの背景には、気管支の炎症を引き起こす原因(アレルギー・ウイルス・環境刺激など)が残り続けている可能性があります。
気管支の慢性的な炎症は、時間が経つほど呼吸機能の改善が難しくなる傾向があります。
「よくある咳だから」と我慢せず、早めに専門医に相談することが、健康を守る一番の近道です!
気管支炎の症状や重症化のリスクは、年齢や体質によって大きく異なります。
特に、もともとの体調や生活環境が、気管支炎を悪化させる原因になることがあります。
次に年齢や体質によっての症状をまとめてみました。
【子ども/高齢者】
免疫力が弱く、気管支炎の症状が急速に悪化しやすい傾向があります。肺炎への進行リスクもあるため、早めの受診と経過観察が大切です。
【働き世代】
ストレス・喫煙・過労など、気づかぬうちに悪化の原因を抱えているケースも。生活習慣の見直しが、症状の改善につながります。
【アレルギー体質の方】
花粉・ダニ・乾燥・寒暖差といった環境の刺激が咳の原因に。
症状が長引きやすく、気管支の炎症が慢性化することもあります。
〇空気清浄機や加湿器を使って、室内環境を整えましょう!
〇花粉・ハウスダストを避けるための掃除・換気の工夫
〇喉の保湿(マスク・こまめな水分補給・うがい)
〇医師の指導によるアレルギー治療や吸入療法の併用
〇2週間以上咳が続く場合は、早めに呼吸器内科を受診しましょう!
気管支炎は、風邪と似ているけど「風邪とは異なる病気」です。
特にアレルギー体質の方にとっては、体質と環境の両方が症状の原因となる「見えにくい病気」でもあります。
もし今「咳が長いな」「ちょっと息苦しいかも」と感じているなら、それは体からのサインかもしれません。
咳が続く日常は、思っている以上に心も体も疲れます。
「咳が続いて眠れない」と顔色を悪くして、診察室に訪れた方もいらっしゃいました。
だからこそ早めに原因を見つけて対応し、安心して深呼吸できる毎日を過ごしてほしいと思います!
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【執筆者】内科医 橋本将吉(ハシモトマサヨシ)
内科医。高齢者向けの訪問診療『東京むさしのクリニック』院長。2011年に「全ての世代が安心して生活できる人生に」という理念の元、株式会社リーフェホールディングス(旧株式会社リーフェ)を設立。将来の医師を育てる医学生向けの個別指導塾『医学生道場』の運営や、自らが『ドクターハッシー(内科医 橋本将吉)』というYouTubeで健康教育を行う。2022年9月に、健康や医学を医師から学ぶ事のできるサービス『ヘルスケアアカデミー』をリリース。ヘルスケアアカデミー事業の一環として企業や学校等でセミナーを開催している。また、2023年11月には現役の医師目線で日々を健康に暮らすためのアイテムを扱うライフスタイルブランド「ハシモトマサヨシ」を立ち上げ、健康に対する知識を発信しながら商品を展開している。「めざましテレビ」「ホンマでっか!TV」など多数のテレビ番組の出演、「世界一受けたい授業」「林修の今、知りたいでしょ!」など、人気番組の医療監修を手掛け、著書に『薬のトリセツ』(自由国民社)『「老いても元気な人」と「どんどん衰えていく人」ではなにが違うのか』(アスコム)などがある。
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