こんにちは、現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
梅雨の季節、気温や湿度の変化に体調を崩しやすいこの時期、子どもたちの間で「りんご病(伝染性紅斑)」が流行しやすくなります。
りんご病と聞くと「子どもがかかる軽い病気」と思われる方も多いかもしれません。
たしかに、ほとんどの場合は軽い発疹やほてった頬などで済むことが多いです。
しかし、2025年5月には北海道・埼玉県・千葉県などでりんご病患者数が警報基準を超えたとの報告があり、特に妊婦さんにとっては注意が必要な病気でもあります。
知らないうちに感染していたり、思わぬ症状を引き起こすこともあります。これからの季節に備えて、りんご病の原因や感染の仕組み、そして特に気をつけたいポイントについて詳しく解説していきます。
安心して過ごすための知識として、ぜひ最後までご覧ください!
りんご病の原因は「ヒトパルボウイルスB19」という、とても小さなDNAウイルスです。
このウイルスは、私たちの体の中で赤血球を作るもとになる「脊髄内の前駆細胞」という特別な細胞に感染します。
この働きが、りんご病特有の症状や、ときに起こる合併症に深く関わってきます。
ウイルスの感染経路は、咳やくしゃみに含まれる飛沫や、ウイルスが付着したものを触った手を介して広がる接触感染です。
特に学校や保育園といった集団生活の場では、子どもたちの間で感染が拡大しやすい特徴があります。
妊婦さんの場合、胎児に感染が及ぶと「胎児水腫」や「流産」のリスクがあるため、十分な注意が必要です。
ちなみにこのウイルスは、人にしか感染しません。
ヒトパルボウイルスB19に感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、通常およそ4〜14日間とされています。この間、ウイルスは体内で密かに活動を始め、赤血球を作る役割を持つ骨髄の赤血球前駆細胞に感染します。
そして、これらの細胞の働きを一時的に止めてしまうことで、赤血球の生産が抑えられます。
健康な方であれば、この赤血球の生産は一時的なもので、自然に回復します。
しかし、もともと貧血のある方や、慢性疾患を抱えている方、免疫力が低下している方では、この赤血球の減少が重篤な貧血を引き起こす可能性があります。
この潜伏期間の隠れた攻撃は、症状が現れる前に起きるため、周囲の人も感染に気づきにくく、見過ごされやすいのが特徴です。
りんご病をただの「子どもの病気」と捉えず、こうした見えにくいリスクを理解することが、より安心な日々につながります。
子どもに比べると、大人が感染した場合関節痛や関節炎を発症しやすい傾向があります。
これは、ウイルスが私たちの免疫系を過剰に刺激し、結果として炎症反応が強くなってしまうためです。
特に大人は免疫反応が成熟しているため、子どもに比べて症状が重くなりやすいです。
また、妊娠中に感染すると、ウイルスが胎児の骨髄にまで感染し、赤ちゃんの体内で重篤な「胎児水腫(たいじすいしゅ)」を引き起こすことがあります。
胎児水腫は、体の中に以上に水分が溜まる状態で、命に関わる深刻な合併症です。
場合によっては、胎児が死亡に至ることも報告されています。
特に妊娠初期から中期にかけての感染は、胎児への影響が大きいため注意が必要です。
妊婦さんは日頃から感染症対策を徹底し、もし感染が疑われる場合は早めの受診と適切な管理がとても大切です。
自分自身だけでなく、大切な命を守るためにも、ぜひ正しい知識を持ちましょう!
ヒトパルボウイルスB19は、他のウイルスと比べて頻繁に変異を起こすわけではありません。
しかし、感染後には骨髄の細胞の中に潜伏し、長い間体内に留まることで、私たちの免疫の働きから逃れることができるという特徴を持っています。
つまり、ウイルス自体が「かくれんぼ」するような性質があるのです。
この特徴のため、感染後もウイルスのDNAが血液や体の組織に残り続けることがあり、体調や免疫力の変化によってウイルスが再び活動を始める「再活性化」のリスクが指摘されています。
普段は症状がなくても、再活性化によって思わぬ体調不調を引き起こすことがあるのです。
さらにヒトパルボウイルスB19のワクチンは、まだ開発されていません。
ワクチンの開発がなかなか進まない背景には、このウイルスの感染の仕組みの複雑さがあります。
ウイルスがどのように免疫から逃れるのか、そして人によって異なる免疫応答がどのように働くのか、まだしっかりと解明できていません。
そのため、今のところヒトパルボウイルスに対して有効なワクチンは実用化されていません。
これらの事実はあまり知られていませんが、とても大切なことです。
ウイルスに対して「一度感染したら安心」という油断は禁物です!日常的な体調管理や感染予防を改めて意識する必要があります。
私たちは、健康を保つために必要な力として、以下のような「5つの力」が大切だと考えています。
1.解毒力
2.免疫力
3.睡眠力
4.疲労回復力
5.若返り力
この5つの力は、日々の生活や年齢の影響によってバランスを崩しやすくなります。
そのため、「今の自分にはどの力が不足しているのか?」を知ることが、ムダのないセルフケアにつながります。
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そんな方は、まずは“自分を知る”ことからはじめてみてください。
りんご病(伝染性紅斑)は、一般的には「子どもがかかる軽い発疹性の病気」として知られてます。
しかし、実際には骨髄に対する影響や免疫反応の複雑な関りがあり、特に大人や妊婦さんにとっては注意が必要です。
大人では、感染により関節痛や関節炎を発症することがあり、日常生活に支障をきたすこともあります。
また、妊娠中の感染では、ウイルスが胎児に影響を与えることがあり、胎児水腫や胎児死亡といった深刻な合併症を引き起こす可能性があります。
妊娠初期から中期の感染には特に注意が必要です。
感染を予防するためには、手洗いやマスクの着用、室内の換気など、基本的な対策を徹底することが大切です。
もし発疹や関節痛といった症状が現れた場合「様子を見よう」と自己判断せず、早めに医療機関へ受診してください!
適切な治療や診断を受けることが、自分自身や家族の安心安全につながります!
本日は、りんご病についてかなり掘り下げて解説しました!
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