みなさん、こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
数ある記事の中から、この記事を選んでいただき、ありがとうございます。
今回の記事では、私たちの身近にある「お茶」に含まれる「カフェイン」について、医師の立場から詳しく解説していきます。
さて、みなさん。「お茶を飲むとホッとする」「集中力が高まる気がする」──そんな経験はありませんか? それ、実はお茶に含まれるカフェインの「効果」かもしれません!
とはいえ、カフェインには賛否がありますよね。「寝つきが悪くなる」「カフェインは中毒性がある」など、ネガティブな印象もあるのは事実です。
この記事では、そうした誤解を解きながらカフェインの驚くべき健康効果や、カフェインとの正しい付き合い方について医学的根拠に基づいてお届けします!
最後まで読んでいただければ「お茶って素晴らしい!」「カフェインと仲良く付き合えるかも」と感じていただけるはずです!
まず前提として、お茶にはカフェインが含まれています。 緑茶、紅茶、ウーロン茶など種類によって含有量は異なりますが「お茶=カフェインゼロ」ではありません。
カフェインは、植物が自らを守るために持つ苦味成分のひとつ。摂取すると中枢神経を刺激し、覚醒作用や集中力の向上などの効果があることが知られています。
特に「お茶」に含まれるカフェインは、コーヒーに比べてゆっくりと身体に吸収されます。 そのため、覚醒作用も穏やかです。さらに、お茶には「カテキン」といった他の有効成分も含まれており、リラックス効果や抗酸化作用などの若返り効果も期待できます。
カフェインには以下のような、嬉しい健康効果が報告されています!
・死亡リスクの低下:国立がん研究センターの研究によると、緑茶を1日3~4杯、または5杯以上飲む人は、死亡リスクや心疾患、脳血管疾患、呼吸器疾患による死亡リスクが低下する傾向が見られました。
・認知機能の維持:緑茶を1日2~3杯飲む人は、認知機能障害のリスクが低下する可能性があると報告されています。
・脳の健康維持:金沢大学などの研究によると、1日3杯以上の緑茶を飲む高齢者は、脳の白質病変の体積が平均6%低いことが報告され、認知症予防の効果が期待されています。
※白質病変とは:脳の大脳白質に起こった虚血(血のめぐりが悪くなって、器官が酸素不足になっている)状態のことです。進行すると、認知機能の低下(認知症)や生活能力の低下が生じ、脳血管疾患を発症するリスクが高くなると警告されています。
お茶の健康効果を知った上で飲んでいる方はすでにご存知かもしれませんが、毎日何気なく飲んでいる方にとっては、嬉しい事実なのではないでしょうか!無理なく続けられる健康習慣がひとつでもあることは、元気な身体を作る上で非常に重要なことです!
というのも、私が医師として常々感じているのは、病気になってから「身体が健康であることのありがたさ」に気がつくんですよ。だからこそ「病気」になる前に「病気にならない」身体作りの必要性をお伝えすることが、私たちにできることのひとつであると考えています!
とはいえ、カフェインは過剰に摂り過ぎると不眠や神経過敏を招くこともあります。 そこで、安心してお茶の効果を実感するために、以下のポイントを意識しましょう!
① 飲むタイミングを調整する
朝〜夕方までに飲むのがベスト。夜の過剰摂取は、睡眠の妨げになる可能性もあるため、避けましょう。
② お茶の種類を選ぶ
健康効果を得たい場合や、睡眠への影響が気になるため控えたい場合など、目的やシーンに合わせてお茶を選ぶのがおすすめです!玉露にはカフェインがしっかり含まれているため、健康効果が期待でき、ほうじ茶などは比較的カフェインが少ないので、寝る前に少しの量を飲みたい場合におすすめです。
③子どもや妊婦さんは控えめに
カフェインの作用には個人差があります。体調や体質に合わせて調整を行ってください。カフェインを摂取して良いか不安がある場合は、医師のアドバイスを受けることをおすすめします。
カフェインは摂りすぎなければ、私たちの健康にとって非常に有用な成分です! 特に「お茶」という自然な形で摂取することで、無理なく健康習慣を続けられることが最大のポイントです!
私も、日々の診療の中でも「お茶の効果」は見逃せないと感じています。カフェインを上手に活用することは、薬に頼らず脳を元気に保つ“自然療法”のひとつでもあると考えています!
お茶に含まれるカフェインは、決して悪者ではありません! 適切な量とタイミングを守ることで、集中力や記憶力の向上、さらには心の安定やリラックスにもつながる「ありがたい効果」をもたらしてくれる存在です。
お茶の魅力を知り、カフェインとの付き合い方を見直すことで、あなたの毎日はもっと健やかに、もっと豊かになるはずです。
ぜひ今日から、お茶の力を味方につけてみてくださいね!私もお茶飲みます!
私が飲んでいるお茶はこちらです↓
※参考文献:国立がん研究センター、金沢大学医学部、静岡県立大学 ほか
https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/3526.html?utm_source=chatgpt.com
https://www.nature.com/articles/s41538-024-00364-w