こんにちは。橋本将吉(ハシモト マサヨシ)です。
お子さんが突然高熱を出し、咳や鼻水が続くと、多くの親御さんは「風邪かな」と思われるかもしれません。しかし、その症状の背景に「麻疹(はしか)」という感染症が潜んでいる可能性があることをご存じでしょうか。
麻疹は、かつて日本でも多くの人が経験した身近な病気ですが、実は今もなお、重篤な症状や合併症を引き起こすことのある、非常に感染力の強いウイルス感染症です。
最近も、ベトナムに渡航歴のある男児が麻疹に感染したというニュースが報道され、国内でも再びそのリスクが注目されています。
本記事では、麻疹について詳しく知らない方や、小さなお子さんがいるご家庭に向けて、麻疹の基礎知識から感染の仕組み、予防のためにできることまでを、わかりやすくご紹介していきます。
お子さんだけでなく、ご家族全員の健康を守るために、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
麻疹(はしか)とは、麻疹ウイルスによって引き起こされる、極めて感染力の高いウイルス性疾患です。 空気を介して感染するため、同じ空間にいるだけでも免疫のない人は感染するリスクがあります。
WHO(世界保健機関)の報告によると、麻疹はワクチンによって予防が可能な感染症であるにもかかわらず、世界中で今なお毎年10万人以上の命を奪っている深刻な疾患の一つです。日本では、定期予防接種の普及により患者数は大幅に減少しましたが、海外ではいまだに流行を続けており、日本でも時おり、海外からウイルスが持ち込まれることで感染が起きることがあります。
特に、まだワクチンを受けていない小さなお子さんや、接種歴が不十分な若い世代が感染すると、重い症状になってしまうこともあるため、注意が必要です。
麻疹は、「麻疹ウイルス」に感染することで発症します。
感染してから症状が現れるまでの潜伏期間はおおよそ10日〜12日。
その後、以下のような症状が現れます。
・高熱(39〜40度台)
・咳、鼻水、結膜炎(目の充血)
・口の中にコプリック斑(白い点々)ができる
・その後、全身に赤い発疹が広がる(発疹とともに再度高熱が出ることも)
これらの症状は一見すると風邪に似ているため、初期の段階では見分けがつきにくいかもしれません。
ですが、麻疹は「症状が強く、全身に影響が出て、長引く」のが特徴です。
特に子どもの場合、体力を消耗しやすく、ぐったりしてしまうこともあるため、早めの対応が大切です。
麻疹で最も気をつけたいのは、その感染力の強さです。
麻疹ウイルスは、空気感染・飛沫感染・接触感染のいずれの経路でも広がることがわかっており、なかでも空気感染による広がりが非常に大きな特徴です。
つまり、ウイルスは空気中に長く漂う性質があり、たとえ数分間でもその場にいただけでも、免疫を持っていない人は感染する可能性があるということです。
特に、駅の構内やショッピングモールなど、沢山の人が出入りする場所では特に注意が必要です。
見えないウイルスだからこそ、「自分は大丈夫」と思わず、日ごろから予防の意識を持つことが大切です。
麻疹にかかったお子さんは、高熱と全身の発疹により、ぐったりとしてしまうことが多く、特に子どもの場合は脱水症状に注意が必要です。
一方で、大人が麻疹に感染すると、子どもより重症化しやすい傾向があります。
大人の麻疹では、肺炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあり、入院が必要になるケースも少なくありません。
麻疹というと「子どもの病気」というイメージを持たれる方も多いかもしれませんが、実際には大人でも十分に注意が必要な感染症です。
麻疹の本当の怖さは、熱や発疹といった一時的な症状だけではありません。
実は、命に関わるような重い合併症を引き起こすことがあるのです。
特に注意したい合併症には、次のようなものがあります。
・肺炎(麻疹にかかった方の中で、最も多く見られる合併症)
・中耳炎(特に子どもに多く、痛みや発熱が続くことがあります)
・脳炎(意識障害や痙攣を伴うことがあります)
・SSPE(亜急性硬化性全脳炎)
麻疹にかかった数年後に発症する、極めてまれな進行性の脳の病気です。治療法は確立されておらず、命に関わる深刻な後遺症を残すことがあります。
これらの合併症は、特に乳幼児や妊婦さんにとっては非常に危険です。
体力や免疫が十分ではないため、重症化しやすく、場合によっては母体や胎児にも影響を及ぼすことがあります。
麻疹は「昔の病気」と思われがちですが、今も決して油断できない深刻な感染症であることを、日ごろから意識していただくことが大切です。
麻疹は、感染すると強い免疫が付く病気として知られています。
しかし一方で、実は私たちの体の「免疫の記憶」にも大きな影響を与えるという、あまり知られていない一面があるのです。
形質細胞とは、体の中で抗体(ウイルスを攻撃する物質)をつくる、免疫の「司令塔」のような細胞です。
私たちは、一度ウイルスに感染すると、この形質細胞が抗体を作り出し、その記憶を保持します。次に同じウイルスが入ってきたとき、すぐに戦える準備をしてくれています。これが「免疫の記憶」です。
ところが、麻疹ウイルスに感染すると、この大切な形質細胞が減ってしまうことがあるのです。
つまり麻疹にかかると、それまで得た病気への免疫の記憶が、一部リセットされてしまう可能性があるのです。
麻疹にかかることで、インフルエンザや肺炎など、ほかの病気にも再びかかりやすくなる可能性があります。
だからこそ、麻疹にかからない=大切な免疫の記憶を守ることにもつながります。
麻疹(はしか)は、一度かかると強い免疫がつく感染症ですが、非常に感染力が強く、重症化のリスクもある怖い病気です。特効薬がないため、「かからないようにすること=予防」がとても重要です。
麻疹の主な予防法について、わかりやすくご紹介します。
・ワクチン接種が最も大切な予防法
麻疹の予防で最も効果的なのは、予防接種(ワクチン)です。
1回の接種でもある程度の免疫はつきますが、2回目の接種をきちんと受けることで、より強く、長期にわたる免疫が得られます。
・抗体検査での「今の自分の免疫」をチェックすること
麻疹ワクチンを打ったか記憶があいまいな方や、母子手帳が見つからない方は、抗体検査を受けることで、自分に免疫があるか確認することができます。
・手洗い・咳エチケット
麻疹は空気感染する感染症なので、マスクや手洗いだけでは完全に防げないと言われています。
しかし、それでも日常生活のなかで基本的な感染対策を心がけることは、ほかの感染症の予防にもつながり、体調管理全般に役立ちます。
私たちは、健康を保つために必要な力として、以下のような「5つの力」が大切だと考えています。
1.解毒力
2.免疫力
3.睡眠力
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5.若返り力
この5つの力は、日々の生活や年齢の影響によってバランスを崩しやすくなります。
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そんな方は、まずは“自分を知る”ことからはじめてみてください。
麻疹は「風邪のようで風邪ではない」感染症です。
その強い症状や合併症、そして非常に高い感染力を考えると、私たち一人ひとりが正しい知識を持つことが大切です。
大切な人を守るために、できることから始めていきましょう!
・「麻疹って何だろう?」と関心を持つこと
・抗体検査を受けて、自分の免疫状態を知ること
・必要に応じて、ワクチンの再接種を検討すること
子どもたちの笑顔を守るためにも、大人ができる予防の一歩はたくさんあります。
ご不安なことがあれば、ぜひ一度、かかりつけの医師にご相談ください。
最後までご覧いただき、ありがとうございました!