皆さん、こんにちは。現役内科医の橋本将吉(ハシモトマサヨシ)です。
なんと!12月もすでに後半に差し掛かっております。あっという間に年の瀬を迎えますね。皆さん、今年も1年間大変お疲れ様でした!来年もよろしくお願いいたします!
・・・新年のご挨拶としてはちょっと、フライングしすぎましたか?(笑)
ということで、今回は、乾燥が引き起こす様々なトラブルとその乾燥対策について医学的な視点から解説していきたいと思います。
というのも、東京では、11日連続で乾燥注意報が発表されております。(12月17日時点)そもそも乾燥注意報がどのような気象状況だと発表されるのか、ご存知でしょうか?そこで、改めて、乾燥注意報について解説いたします。
乾燥注意報とは:空気の乾燥により災害が発生するおそれがあると予想したときに発表されます。具体的には、大気の乾燥により火災・延焼等が発生する危険が大きい気象条件を予想した場合に発表されます。(※1)
今まで、なんとなく乾燥注意報を気にされていた方も多いかと思います。しかし、空気の乾燥による頭痛や肌の乾燥などの健康トラブルだけではなく、火災や延焼などの災害が発生する恐れがあるほど、危険な状態であることを認識いただけたかと思います。
そこで、「いやいや、すでに本格的に冬を迎えて、暖房もガンガンつけるし、乾燥がさらに加速しちゃうよ」という不安が出てくるかと思います。
しかし、乾燥による健康や災害への影響は軽視すべきではありませんが、しっかりと対策を行うことによって、頭痛や肌の乾燥、災害などのトラブルを予防することができます!
そのため、ハシモトマサヨシが、今日から手軽に取り入れる乾燥対策について詳しく解説していきます!すでに乾燥による肌荒れをされている方や、頭痛で悩んでいる方、乾燥による健康トラブルはないものの、未然に防ぎたい方には最後までお読みいただき、乾燥によるトラブルを解決してほしいと思っております。
最後まで、健康でいるために必要なことが医学的根拠に基づいて記載されているため、お見逃しのないようお願いいたします!また、最後の方には、乾燥対策する上で大切なことが書かれています!皆さんとご家族の健康のために必要なことですので、ぜひチェックしてください!
では、医学的根拠に基づいて乾燥が頭痛や体調不良を引き起こす理由と対策について解説していきます。
1.冬の乾燥がもたらす健康被害
冬の乾燥は、さまざまな健康被害を引き起こします。例えば、頭痛やめまい、皮膚や粘膜の乾燥から、心筋梗塞や脳梗塞などの深刻な健康被害まで、非常に幅広く健康に影響を及ぼします。そこで、乾燥による主な健康被害を以下にまとめました。皆さんも自分に当てはまるものがあるかチェックしてみてください。
乾燥が引き起こす主な体調不良
頭痛や倦怠感 | 乾燥は頭痛や体全体の倦怠感を引き起こす要因ともなります。 |
喉や鼻の粘膜が乾燥 | 乾燥した空気は喉や鼻の粘膜を刺激し、バリア機能を低下させます。この結果、ウイルスや細菌が侵入しやすくなり、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。 |
肌荒れやかゆみ | 冬の乾燥した空気は肌の水分を奪い、肌荒れやかゆみを引き起こします。特に敏感肌の人は湿度が低い環境に長時間さらされると、症状が悪化しやすいです。 |
目の乾燥(ドライアイ) | 目の表面を保護する涙液が乾燥により蒸発しやすくなり、目の痛みや異物感、視力の低下を感じることがあります。 |
気道への影響 | 乾燥した空気は気管支を刺激し、喘息や気管支炎の症状を悪化させることがあります。特に小児や高齢者は注意が必要です。 |
脱水症状 | 脱水が重度になると、循環血液量の減少に伴う心筋梗塞や脳梗塞のリスクがあります。 |
いかがでしょうか。
乾燥が健康に及ぼす影響は、軽度なものから重度なものまでございます。そのため、乾燥対策を十分に行っていただかないと命に関わる危険性があります。更に、この季節は、インフルエンザなどの感染症が流行する季節です。また、乾燥により免疫が低下することで、風邪やインフルエンザにかかり体調が崩れてしまう危険性があります。なので、免疫力の低下は、風邪にかかりやすくなるだけではなく、疲れを感じやすくなったり、肌荒れなどの肌トラブルも引き起こし、心も体も不健康になってしまいます。
そして、11日連続で乾燥注意報が発表されていることからも、空気がいつもより乾燥しているため、更に感染症にかかりやすい状態であると言えます。また、空気が乾燥していることから、ウイルスも飛散しやすいため、感染症が広範囲に広がりやすくなってしまいます。更に、 年末年始は病院も休みであることに加えて、脳梗塞や心筋梗塞の患者さんが増える傾向にあるため、 救急外来は長時間待つことが多く、いつもよりも徹底した健康管理が必要不可欠になってきます。
少しだけ話がそれますが、ここまで雨が降っていないのは24年ぶりであることをご存知でしたか?
ですから、私たち人間は自然を操ることはできないため、基本的な乾燥対策と風邪予防などの健康管理が重要となるのです。
では、ここからは、乾燥による健康被害のひとつである「頭痛」でお悩みの方に、そのメカニズムを医学的な視点から解説していきます。しっかりとメカニズムを知ることで、なぜ乾燥対策が必要なのかが理解できるため、ぜひチェックしてください!
2.乾燥により頭痛が起きる医学的メカニズム
乾燥が原因で頭痛が引き起こされることは珍しくありません。ちなみに、橋本将吉(ハシモトマサヨシ)は、現役医師として活動しており、訪問診療を行う中で、頭痛に悩んでいる方がたくさんいらっしゃる現実を目の当たりにしております。
そして、頭痛が引き起こされる背景には、医学的に解明された複数のメカニズムが関与していることが分かっております。
そこで、乾燥により頭痛が引き起こされる要因を表にまとめました。では、一緒に見ていきましょう。
乾燥が頭痛を引き起こす主な要因
血管の収縮 | 乾燥による水分不足が原因で、体内の酸素供給が不十分になることがあります。この結果、脳の血管が収縮し、緊張型頭痛が発生します。 |
脱水症状 | 冬でも乾燥による水分蒸発が増えるため、体内の水分が不足しやすくなります。軽度の脱水症状でも頭痛が誘発されることがあります。 |
粘膜の炎症 | 乾燥で鼻や喉の粘膜が炎症を起こすと、副鼻腔が詰まり、圧迫感や頭痛を引き起こす可能性があります。 |
自律神経の乱れ | 乾燥環境は体にストレスを与え、自律神経のバランスが乱れることがあります。この影響で片頭痛や緊張型頭痛が悪化することがあります。 |
いかがでしょうか?
冬の季節に脱水症状って、なかなか考えられないですよね。しかし、冬は乾燥による水分蒸発が増えるため、体内の水分が不足しやすくなります。そのため、軽度の脱水症状でも頭痛が誘発されることがあるのです。
ちなみに、脱水症状はどのように判断されるのかといいますと、皮膚や口腔内の乾燥などの身体診察や血液検査、尿検査などから判断します。なので、脱水状態にないかどうか適宜確認することも、乾燥による頭痛を予防する手段のひとつです!
さらに、これからの季節は毎日暖房を使用するかと思います。暖房は、室内の温度を上げてくれますが、その代わりに湿度を低下させるため、空気が乾燥します。暖房に伴う脱水症状としては、軽度であれば、喉の渇き、皮膚や粘膜の乾燥、尿量の減少、頭痛やめまい、倦怠感や疲労感などの症状でおさまりますが、脱水が重度になると、循環血液量の減少に伴う心筋梗塞や脳梗塞のリスクがあります。
そして、暖房を使用する冬に、脱水状態になってしまうのは、空気の乾燥以外にも、水分摂取量が少なかったり、汗が蒸発してしまうなどの要因が重なることに起因します。
そこで、現役医師である橋本将吉(ハシモトマサヨシ)が、本格的に進む乾燥の中で、どのような感染症対策と風邪予防対策を行って健康を守るべきなのか、医学的な視点から解説いたします!
3.医師推奨!皆さんの健康を守る感染症対策と風邪予防
乾燥による頭痛や感染症を防ぐためには、日常的な工夫が必要不可欠です。そこで、乾燥による頭痛や風邪などの感染症で悩んでいる皆さんに、今日からできる感染症対策と風邪の予防ができる習慣をご紹介していきます!
手軽に始められる感染症対策と風邪予防対策
湿度を管理する | 加湿器を使用して室内の湿度を50~60%に保つことが理想的です。ちなみに、加湿器がない場合は、濡れタオルを干したり、観葉植物を置いたりする方法も有効です。 |
水分をこまめに補給する | 乾燥した空気の中では体が水分を失いやすくなります。1日1.5〜2リットルの水を意識して飲むようにしましょう。 |
柑橘類をとる | 生姜やりんごりんご、じゃばらやみかんなどの柑橘類は、免疫力UPをサポートしてくれるため、風邪予防の対策として効果的です。 |
マスクをつける | マスクは、飛沫感染を防ぐため風邪予防対策として効果的です。どなたでも簡単にできる感染症対策であるため、特に今の時期はマスクを取り入れて風邪を予防しましょう。 |
適度な運動をする | 風邪の予防や免疫力の向上に効果があります。そのため、階段の上り下りなど、日常生活の中でいつも行っていることから始めていきましょう。 |
十分な睡眠をとる | 細菌やウイルスに対する抵抗力(免疫力)は、睡眠中に維持・強化されています。そのため、質の高い睡眠を取ることは、風邪の予防につながります。 |
いかがでしょうか?
本日から取り入れられるものや、すでに実践されているものはありましたか?
というのも、皆さんのライフスタイルによって、取るべき対策は異なるかと思うので、無理のない範囲でやれることから始めてみてください!
4.まとめ
いかがでしたでしょうか?
乾燥は冬に終わりやすい健康トラブルの危機となり、頭痛や肌荒れ、感染症のリスクを高めるだけでなく、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わることもあります。乾燥注意報が連続で発表されるほど空気が乾いており、徹底した対策が必要です。
乾燥対策は「水分管理」「水分補給」「栄養バランス」「適度な運動」「質の高い睡眠」など、日常生活の中で気軽に始められる工夫がほとんどです。乾燥による頭痛しやすい環境に適応し、健康管理を徹底することで、肌荒れを防ぎ、風邪や感染症に負けない強い体を作ることができます。
今年も残りわずかとなりましたが、皆さんとご家族が健康でいっぱいの新年を迎えられるよう、今日からできる乾燥対策にぜひ笑顔で取り組んでくださいね。 」
ハシモトマサヨシがお届けする冬の乾燥対策、ぜひ皆様の生活に少しでもいただければ幸いです!
(※1)参照元 気象庁 気象警報・注意報の種類 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/warning_kind.html